WORLD
2020年09月02日 17時27分 JST

「周庭の隣にいるチー牛」と煽られた民主活動家・黄之鋒さん、公式チーズ牛丼が発売される

黄さんの外見だけをあげつらって投稿されたものと思われるが、当の黄さんは積極的に反応。回り回って本人の名を冠したチーズ牛丼が生まれてしまった。

国家安全維持法をめぐる問題などで、香港情勢は日本でも注目されている。

しかし、民主派の重要人物の中で、周庭(アグネス・チョウ)さんの知名度だけが日本で異様に高まった影響なのか、周庭さんと並んで発言することも多い黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんは「隣にいるチー牛」などとネットで言われることも。

 「チー牛」とはチーズ牛丼の略称で、“イケてない人”を表すネットスラング。

黄さんの外見をあげつらって投稿されたものと思われるが、当の黄さんは積極的に反応。回り回って本人の名を冠したチーズ牛丼が生まれてしまった。

Tyrone Siu / reuters
周庭さん(左)と黄之鋒さん(右) REUTERS/Tyrone Siu

■民主派の重要人物でガンダムファン

黄之鋒さんは香港の民主活動家。2012年に中国への愛国心を育てる教育が香港に持ち込まれようとしたとき、仲間と中高生団体「学民思潮」を結成し反対運動を展開した。2014年の「雨傘運動」でも中心的な役割を果たした。

黄さんはその後、民主派団体「デモシスト」の結成に参画し秘書長を務めた。雨傘運動でデモ隊の排除を妨害したとして、有罪判決を受け収監されていたが、2019年の「反送中」デモが盛り上がるなか刑期を終え釈放された。2020年に国家安全法が成立・施行されるとデモシストを脱退し(団体は解散)、現在は個人の立場で活動している。

流暢な英語を操り、海外メディアの取材にも積極的に応じるほか、SNSでも英語で自らの考えを発信していて、民主派の重要人物の一人として知られる。一方で、日本語での取材対応は主に周庭さんが担っていたため、日本での知名度に差がついたとみられる。

ちなみに、熱心なガンダムファンでもある。

■「Oishi〜!」ユーモアたっぷり

香港の民主化運動を知るうえで欠かせない人物だが、日本では周庭さんのイメージが強い。そのためか、あるネットユーザーは黄さんを「周庭の隣にだいたいいつもいるチーズ牛丼が気になってしょうがない」とTwitterに投稿した。

これは「チー牛」、つまり“イケてない”男性の典型として描かれる絵と、黄さんの外見が似ているとあげつらったものと思われる。しかし、黄さんはこのTwitter投稿の画像を自身のフェイスブックに載せると、そこから積極的に反応するようになる。

まずは自身を「メガネ男」と日本語付きの画像で表現。

「チー牛」についても、香港にオープンした「すき家」を訪れ、本物のチーズ牛丼にトライしようとする一幕もあった(行列が長すぎて断念)。

ここでも日本語で「いつも長い列がならんでいる......」と投稿。日本のTwitterユーザーに「チー牛」ネタを届けようという遊び心が感じられる。

ちなみに周庭さんも自身のYouTubeチャンネルで「チー牛」騒動に言及。黄さんについて「楽しんでいるというか、あまり気にしていないので、彼は日本で器が大きいと褒められました」と紹介している。

そして紆余曲折を得て発売されたのが「黄芝丼(黄之鋒のチーズ牛丼)」。本人のフェイスブックによると、香港の飲食店で食べられるという。

本家「すき家」にはありつけなかった黄さんだが、自身の名を冠したチーズ牛丼は「Wow~Oishi~!!!(原文ママ)」と感想を語っている。

【黃芝丼冠名推薦「黃芝丼」】 話說,早排我去咗すき家(SUKIYA),諗住食芝士牛丼啦,結果排好耐隊,都排唔到……咁我就...

黃之鋒 Joshua Wongさんの投稿 2020年9月1日火曜日

このようにユーモアたっぷりに反応した黄さんだが、民主派の重要人物として、今後国家安全維持法などが適用され逮捕されるおそれもある。

この法律では、逮捕した人間を中国大陸に送り、裁判にかけさせることもできると規定している。

黄さん自身もTwitterで「仲間の何人かは香港を去ったが、私は戦い続けると決めた」と宣言する一方で、「私が逮捕されるのは時間の問題にも思える」と悲壮な決意を語っている。