LGBTQ候補者が起こした「レインボーウェーブ」 アメリカ各地で歴史的な当選

国会にあたる連邦議会では初となるオープンリーゲイの黒人2人が当選

バイデン前副大統領がトランプ大統領を相手に勝利を確実にした2020年のアメリカ大統領選。同時に行われた連邦議会や州議会などの選挙ではLGBTQ当事者が歴史的な当選を果たし、「レインボーウェーブ」が起きたと現地メディアは伝えている。

アメリカの国会にあたる連邦議会では初めて、オープンリーゲイの黒人2人が当選した。地方議会でも多数のLGBTQ当事者が初当選し、州議会上院では初となるトランスジェンダーを公表している議員の誕生が見込まれている。

LGBTQ候補者を支援する団体「LGBTQビクトリーファンド」によると、今回の国政や地方選挙などで少なくとも198人の当事者が当選。初当選や再選したLGBTQ当事者らを一部紹介する。

Michael Noble Jr. for The Washington Post via Getty Images

モンデア・ジョーンズ氏
ニューヨーク州の連邦議会選挙で下院議員に初当選。オープンリーゲイ。アメリカで初めて、セクシュアルマイノリティであることを公表している黒人の連邦議会議員の1人に。地元自治体の弁護士などを経験。

Jason E. Miczek / AP for Human Rights Campaign

サラ・マクブライド氏
デラウェア州の州議会選挙で上院議員に初当選。アメリカで初めて、トランスジェンダーであることを公表している州議会上院議員に。現在、LGBTQ人権擁護団体「ヒューマンライツキャンペーン」の広報官を務めている。

Mauree Turner for HD 88 via Facebook

マウリー・ターナー氏
オクラホマ州の州議会選挙で下院議員に当選。アメリカ初のノンバイナリーであることを公表している州議会議員に。オクラホマ州初のムスリムの州議会議員でもある。

Bill Clark / CQ-Roll Call via Getty Images

シャリス・デイビッズ氏
カンザス州の連邦議会選挙で下院議員に再当選。2018年に初当選し、レズビアンであることを公表している。アメリカ初の先住民女性の連邦議会議員の1人でもある。

Adam Hunger / AP

リッチー・トーレズ氏
ニューヨーク州の連邦議員選挙で下院議員に初当選。オープンリーゲイ。モンデア・ジョーンズ氏とともに、アメリカで初めて、セクシュアルマイノリティであることを公表している黒人の連邦議会議員の1人に。2013年、ニューヨーク市議会選挙で同市史上最年少の市議会議員に当選した。

Zach Gibson / Getty Images

マーク・タカノ氏
カリフォルニア州の連邦議会選挙で下院議員に再当選。2012年、ゲイであることを公表しているアジア系アメリカ人として初めて、連邦議会議員に選出された。日系3世。

Kim Jackson via Facebook

キム・ジャクソン氏
ジョージア州の州議会選挙で上院議員に初当選。オープンリーレズビアン。ジョージア州で初めて、セクシュアルマイノリティであることを公表している州議会上院議員に。聖職者、刑事司法制度改革などの活動家。

David Ortiz for Colorado via Facebook

デイビット・オルティーズ氏
コロラド州の州議会選挙で下院議員に初当選。コロラド州で初めて、バイセクシュアルを公表している州議会議員に。同州初の車いす利用者の州議会議員にもなる。傷痍(しょうい)軍人。

Stephanie Byers for Kansas via Facebook

ステファニー・バイヤーズ氏
カンザス州の州議会選挙で下院議員に初当選。アメリカで初めて、トランスジェンダーであることを公表している有色人種の州議会議員に。カンザス州初のトランスジェンダーを公表している州議会議員にもなる。元音楽教師。

Roger Montoya for NM State Rep. Dist 40 via Facebook

ロジャー・モントイア氏
ニューメキシコ州の州議会選挙で下院議員に初当選。ニューメキシコ州で初めて、ゲイを公表している州議会下院議員に。HIVとともに生きる。

Adrian Tam via Facebook

エイドリアン・タム氏
ハワイ州の州議会選挙で下院議員に初当選。オープンリーゲイ。ハワイ州で唯一のセクシュアルマイノリティであることを公表している州議会議員に。極右団体「プラウドボーイズ」のメンバーである候補を敗って当選した。

Sam Park for Georgia House District 101

サム・パーク氏
ジョージア州の州議会選挙で下院議員に再当選。2016年にジョージア州で初めて、当選時にゲイであることを公表している州議会議員として選出された。HIV/エイズ撲滅に取り組む地元団体の顧問弁護士などを経験。

Eddie Mannis for State Representative

エディー・マニス氏
テネシー州の州議会選挙で下院議員に当選。オープンリーゲイ。テネシー州で初めて、セクシュアルマイノリティであることを公表している州議会議員の1人に。共和党所属。

AAron Ontiveroz / The Denver Post via Getty Images

ブリアンナ・ティトーン氏
コロラド州の州議会選挙で下院議員に再当選。2018年にコロラド州で初めて、トランスジェンダーであることを公表している州議会議員として選出された。議員になる前は、地質学者などとして働いていた。

Steven Senne / AP

ティアラ・マック氏
ロードアイランド州の州議会選挙で上院議員に当選。オープンリーレズビアン。ロードアイランド州で初めて、セクシュアルマイノリティであることを公表している黒人の州議会議員に。性教育講師などを経験。

混戦の末、バイデン氏が勝利を確実にしたアメリカ大統領選。敗北したトランプ氏ですが、前回より多い7000万以上の票を得るという結果になりました。これが意味することは? 選挙が終わってもアメリカ社会の「分断」は残り続けるのか?

#ハフライブ では、日本から大統領選に在外投票したモーリー・ロバートソンさんらを迎え、「トランプ支持者の“心の中“と分断社会のこれから」をテーマに議論しました。(生配信日:2020年11月5日)

番組アーカイブはこちら⇨https://youtu.be/iqjG-xll4j8

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