「プロ野球戦力外通告」2020年に登場する濱矢廣大、田原誠次、田城飛翔の3人はどんな選手?

中継ぎ陣の一角を担ったサイドスローから、甲子園でホームランの好打者まで。

プロ野球チームから戦力外通行を受けた選手のその後を追うドキュメンタリー、「プロ野球戦力外通告」が2020年12月29日夜に放送される。

東山紀之さんのナレーションでも有名な年末の恒例番組。2020年に特集される3選手の現役時代を振り返る。

左から田城飛翔(光星学院時代)、田原誠次、濱矢廣大(楽天時代)
左から田城飛翔(光星学院時代)、田原誠次、濱矢廣大(楽天時代)
時事通信社

■濱矢廣大投手(元横浜DeNAベイスターズ)

濱矢投手はホンダ鈴鹿出身のサウスポー。2013年のドラフト会議で楽天から3位指名を受け入団した。当時の背番号は「13」と期待の高さをうかがわせ、翌14年の9月には西武戦でプロ初登板を果たす。

この試合で濱矢投手は、ボールの出どころが見えにくいテイクバックから速球とスライダーなどを組み合わせ西武打線に挑み、5回0/3を投げ9本の安打を浴びたものの2失点に抑え、プロ初登板で初勝利を掴み取る。試合後、星野仙一監督(故人・当時)からは「勝ったことはめでたいけど、もっとストライクを取らないと」と愛のあるゲキが飛んだ

濱矢投手(楽天時代、2019年)
濱矢投手(楽天時代、2019年)
時事通信社

順調なプロ生活のスタートだったが、その後は1軍に定着することができず。2019年3月に熊原健人投手との交換トレードで横浜DeNAベイスターズに移籍する。移籍1年目は1軍登板わずか2試合にとどまったうえ、打者13人に対し5四球と制球難を露呈。オフにはメキシコ・ウィンターリーグにも参加し再起を期したが、2020年は1軍登板の機会がなく戦力外通告を受けた。

■田原誠次投手(元読売ジャイアンツ)

田原投手は右のサイドスロー。2011年に巨人からドラフト7位指名を受け、三菱自動車倉敷オーシャンズから入団した。右打者の懐をえぐるボールやシンカー、それに外へ逃げるスライダーなどのコンビネーションを得意とし、1年目からリリーフとして台頭。32イニングを投げ防御率3.26と安定した成績を残した。

田原誠次投手
田原誠次投手
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2016年には64試合に登板し防御率3.46。リーグ順位こそ2位だったが、チームを支える活躍を見せた。その後は1軍と2軍を行き来することが多くなるも、右の強打者に立ち向かうピッチングは健在。だが2019年に25登板で防御率4.32と低調な成績を残すと、2020年はプロ入り後初となる一軍登板がないシーズンとなり、戦力外通告を受けた。

■田城飛翔選手(元ソフトバンクホークス)

田城選手はミート力に優れる左打ちの外野手。名前は「つばさ」と読む。

甲子園ファンならば記憶に新しい選手で、青森・八戸学院光星高校の3番打者として、2016年には春夏連続で聖地に登場。夏の1回戦・市尼崎(兵庫)では6回にセンターの頭を超えるホームランを放つと、延長10回には決勝タイムリーを打ってみせた。

2016年夏の甲子園・市尼崎戦でホームランを放つ田城選手
2016年夏の甲子園・市尼崎戦でホームランを放つ田城選手
時事通信社

その年のドラフト会議で福岡ソフトバンクホークスから育成3位で指名を受け入団。入団後は主に3軍で実戦経験を積むと、3年目の2019年にはウエスタンリーグ(2軍)で108安打を放ち、最多安打のタイトルを獲得した。

しかし、2020年も支配下選手には上がれず、ソフトバンクの分厚い戦力層に苦しんだ。TBSによると、21年シーズンも育成選手としての契約を打診されたが、自らの意思で退団を選択。退路を絶ってトライアウトに臨んだ。

■以下はネタバレに注意。実際のトライアウトはどうなった?

※以下はネタバレ(トライアウト結果)を含みます。閲覧の際にはご注意ください。

12球団合同トライアウトを終え、笑顔でポーズを取る新庄剛志さん(右)=12月7日、神宮球場
12球団合同トライアウトを終え、笑顔でポーズを取る新庄剛志さん(右)=12月7日、神宮球場
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では2020年12月7日に実施されたトライアウトはどうなったか。

濱矢廣大投手は3人の打者に対し、先頭から2者連続でフォアボール。最後の飛雄馬選手(元DeNA)にもデッドボールとアピールし切れずに終わってしまった。

田原誠次投手は持ち前の強気な投球で2つの三振を奪うも、左の伊藤隼太選手(元阪神)に右中間へ2ベースを浴びた。

田城飛翔選手は最初の打席で足にデッドボールを受けてしまう。それでも第3打席に野田昇吾投手(元西武)から技ありのセンター前ヒットを放った。

トライアウトでは、田城選手にオリックスから育成選手としてのオファーがあった。他には最速149キロを記録した風張蓮投手(元ヤクルト)にDeNAから、3者連続三振と圧巻のパフォーマンスを誇った宮台康平投手(元日本ハム)にヤクルトからそれぞれ支配下オファーがあった。

同じく3者三振と奮闘した小沢怜史投手(元ソフトバンク)もヤクルトからの育成契約を勝ち取った。48歳からの現役復帰を目指し注目された新庄剛志選手(元日本ハム)は最終打席でレフトへタイムリーを放ったが、プロ球団からのオファーはなかった。

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