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2021年01月21日 12時43分 JST | 更新 2021年01月21日 17時52分 JST

カマラ・ハリス副大統領は、なぜ就任式で「紫色」の服を着た? メッセージを読み解く

就任式に出席した女性たちの「紫色」の服装に注目が集まっています。

ANDREW HARNIK via Getty Images
宣誓するカマラ・ハリス副大統領

アメリカ・ワシントンで1月21日、ジョー・バイデン氏の大統領就任式が開かれた。アメリカで初となる女性副大統領に就任したカマラ・ハリス氏は、鮮やかな紫色のコートとワンピース姿で就任式に臨んだ。

バラク・オバマ元大統領の妻ミシェル氏なども紫系のパンツスーツを着用し、女性たちの「紫色」の服装に注目が集まっている。

 

なぜ「紫色」なのか

Joe Raedle via Getty Images
カマラ・ハリス氏と夫のダグラス・エムホフ氏。美しいラインのコートが印象的です。

ハリス氏が就任式で着た紫色のロングコートとワンピース。若手黒人デザイナーのクリストファー・ジョン・ロジャーズ氏が手がけたという

ハリス氏は、就任式という重要な場面でなぜ「紫色」の服を選んだのか。その装いには、複数の意味が込められているのではないかと推測されている。

 

参政権を求めて闘った女性たちのシンボルカラー

その一つが、女性の政治参加へのメッセージだ。

紫色は、1900年代にイギリスで起きた女性参政権運動のシンボルカラーの一つ。「サフラジェット」と呼ばれた活動家たちは、忠誠さと尊厳をあらわす「紫」、純潔さをあらわす「白」、そして希望をあらわす「緑」をシンボルカラーとして纏ったという。

このシンボルカラーは、アメリカの参政権運動でも使用された。

憲法修正第19条の成立により、アメリカの女性たちに選挙権が与えられたのは今から約100年前のこと。

国立アメリカ歴史博物館によると、参政権運動に尽力した女性運動家アリス・ポールが率いた「全国女性党」は、紫、白、金色の旗を掲げたという。

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憲法修正第19条の成立75周年を祝ってワシントンで行われたパレード。紫、白、金色のフラッグ(旗)を持つ女性たちが行進した。

 

大統領選に出馬した初の黒人女性へのリスペクトも

また、1972年に黒人女性として初めてアメリカ大統領選に出馬したシャーリー・チザムへのリスペクトも込められているとも考えられる。

Newsweekなどの米メディアによると、シャーリー・チザムは選挙運動中、紫色の服を着ていたという。

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シャーリー・チザム

ハリス氏本人は1月17日にツイートで、「シャーリー・チザムは私に道筋を作ってくれた」と明かしており、ハリス氏に大きな影響を与えた人物であることが伺える。

 

民主党の「青」と共和党の「赤」を混ぜ合わせた色でもある

さらに注目したいのが、「紫」が民主党のカラーである「青」、共和党のカラーの「赤」を混ぜ合わせた色である、ということだ。

バイデン氏が「分断ではなく結束を」と呼びかけていたように、党派を超えて調和し、結束、連帯することを象徴しているのではないかと推測されている。

「共和党対民主党、郊外対都市部、保守対リベラルという対立はやめないといけない。寛容が必要で、お互いの立場に立つ必要がある」(バイデン氏の就任演説より)

 

ジル・バイデン氏、ミシェル・オバマ氏やヒラリー・クリントン氏も紫を身にまとう

就任式では、バラク・オバマ元大統領の妻ミシェル・オバマ氏やヒラリー・クリントン元国務長官も紫系の服装を着用していた。

また、ファーストレディとなるジル・バイデン氏も、19日にワシントン入りした際に紫色のコートを身にまとっていた。

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ミシェル・オバマ氏は、あざやかな赤紫のパンツスーツ姿で登場した。
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ヒラリー・クリントン元国務長官も明るい紫のパンツスーツ姿だった。
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19日にワシントン入りしたジル・バイデン氏。

アメリカの変化の節目となる就任式で、多くの女性たちが着た「紫色」の服。

その装いには、女性や黒人などマイノリティーへのリスペクトをはじめ、「分断から連帯」への強い思いが込められているのかもしれない。

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カマラ・ハリス氏