「ジェンダー平等推進」は公約に入ってますか?全国フェミニスト議連が政党アンケート公表【参院選2022】

6月22日に公示された参院選に向けて実施された政党アンケート。「全国フェミニスト議員連盟」が結果を公表した。

公約に「ジェンダー平等推進」の政策が入っていますか?クオータ制の導入についての見解はーー?

6月22日に公示され、7月10日に投開票される参院選。

日本の女性議員を増やすために活動している「全国フェミニスト議員連盟」が6月19日に政党アンケートの結果を公表した。

調査対象は、自民党、立憲民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党、NHK党の9党。公示前の6月4日〜6月15日に実施した。

全国フェミニスト議員連盟はこれまでも国政選挙に合わせて政党アンケートを実施しており、公約にジェンダー平等を推進する政策が盛り込まれているかや、立候補予定者における女性の割合などをたずねてきた。

今回のアンケート結果からは、「公約にジェンダー平等推進の政策が入っていますか?」との問いに、ほとんどの政党が「はい」と答えた一方、2018年に施行された「政治分野における男女共同参画推進法」については、「現状でよい」と答えた政党と「改善が必要」と訴える政党に分かれるなど、温度差が明らかになった。

アンケート結果の一部を紹介する。

全国フェミニスト議員連盟が実施した政党アンケート結果
全国フェミニスト議員連盟が実施した政党アンケート結果
全国フェミニスト議員連盟提供

■公約にジェンダー平等推進の政策が入っていますか?

NHK党をのぞく8政党が「はい」と答えた。「いいえ」と回答したNHK党は具体記述もなかった。

自民党は「全ての女性が尊厳と誇りを持って生きられる社会の実現を目指す」「女性が経済的に自立できる環境を整えていきます」などと回答。立憲民主党は「選択的夫婦別姓制度の法制化、男女平等の議会(パリテ)、DV対策や性暴力被害者支援など困難を抱える女性への支援の充実」などを挙げた。

公明党は「選択的夫婦別姓制度の導入や自治体パートナーシップ認定制度の推進、同性婚に向けた必要な法整備にも取り組んでいく」、日本維新の会は「企業の女性雇用率や女性役員比率、男性の育児休業及び出産時育児休業取得率などに応じて政策的な減税を行い女性や子育て世代が活躍しやすい機会を増やす」などと記した。

国民民主党は「あらゆるライフステージと政策における男女格差をなくす」、日本共産党は「ジェンダー平等をあらゆる分野でつらぬく」とし、「男女賃金格差の是正と働く場でのジェンダー平等を実現」「選択的夫婦別姓、同性婚、LGBT平等法の実現」「痴漢をはじめ女性に対するあらゆる暴力をなくす」などを列挙した。

社民党は「雇用・教育の男女平等、税制・社会保障制度の個人単位化など」、れいわ新選組は「2021年衆院選政策の継続」と回答した。

■「政治分野における男女共同参画推進法」についての見解は?

「政治分野における男女共同参画推進法」は2018年に施行され、男女の候補者をできる限り均等にするよう政党に求めている。一方で罰則規定はなく、あくまで“努力義務”を課すものだ。

今回の参院選では、全ての候補者(545人)のうち、女性は33.2%にあたる181人。前回の2019年(28.1%)と比べて5.1ポイント上がり、過去最高となったものの、政党別で比べると差が大きく開いていることも指摘されている

政党別の女性候補者の割合は?
政党別の女性候補者の割合は?
Yuki Takada

この「政治分野における男女共同参画推進法」について、自民党、日本維新の会、NHK党が「現状でよい」と回答。立憲民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組が「改善(改訂)が必要」と答えた。

「その他」と回答したのは公明党と国民民主党。公明党は具体記述で、「政治分野における男女共同参画の推進は、極めて重要な課題」としつつ、「施行後の状況を踏まえ、わが国の男女共同参画の取組みがより実効性をもって進んでいけるよう、引き続き尽力していきたい」などと記した。一方、国民民主党は「法律の厳正な運用、取り組みの実態調査・情報収集等が必要である」と記述した。

■クオータ制の導入については?

選挙候補者の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」。その実現に向けた超党派の女性議員による勉強会も2021年5月に発足している

これについての見解も、政党間で温度差が明らかになった。

「どちらとも判断できない」と答えたのは、自民党、公明党、日本維新の会、NHK党の4党。

「賛成」と答えたのは、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組の5党だった。

■性暴力をなくすために必要な取り組みの提案は?

NHK党のみ「ない」と回答し、そのほかの8党は「ある」と答えた。

自民党は「性犯罪・性暴力対策の強化や相談体制の充実等の取り組みを進めている」などと回答し、立憲民主党は「いわゆる性交同意年齢の引き上げ、性犯罪の加害者にも被害者にもならないような性犯罪防犯教育プログラムの検討、女性の性を商品化する風潮を変える取り組み」などを挙げた。

公明党は「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の見直しや性交同意年齢の引き上げ、公訴時効のあり方などについて、刑事法の改正に向けた取り組みを進める」とし、DV被害者の支援体制の強化、痴漢犯罪をなくすための実態調査を行うーーなどと記述した。

共産党は「『痴漢ゼロ』を政治の重要課題とし、痴漢被害の実態調査、相談窓口の充実、 加害根絶のための啓発や加害者更生を推進する」などのほか、不同意の性交の処罰化や性交同意年齢の引き上げ、DV防止法の改正ーーなどを挙げた。

日本維新の会は「性暴力被害者、セカンドレイプ被害者への支援を強化するとともに、出所者を把握し、治療に結び付けるなど性犯罪再犯の防止策の法制化を検討している」とし、性交同意年齢の引き上げなどの刑法改正を検討している、とした。

国民民主党は「本国会にて『性暴力被害者の支援に関する法律案』を共同提出」、社民党は「性暴力被害者支援法案を野党共同で提出、性暴力禁止法案の作成を目指す」、れいわ新選組は「野党共同で性暴力被害者支援法案の提出を行った」と記した。

「実際の女性候補の割合との乖離は大きい」

アンケートを実施した「全国フェミニスト議員連盟」世話人の一人で、自身も市議会議員である小磯妙子さんはハフポスト日本版の取材に、「女性候補を増やす取り組みはやろうと思っていますという回答が多いものの、政党によっては実際の女性候補の割合との乖離は大きい。すでに男性の議員がいるところに女性候補を擁立するのは大変なことで、席が空かないとそう簡単に入れ替えることができず、なかなか進まないのではないか」と答えた。

「全国フェミニスト議員連盟」は国会議員や地方議員、市民らでつくる団体で、男女約250人の会員がいる。今回のアンケート結果は、概要はこちら、具体記述の全文はこちらに公開されている。