「望む性で法律婚」「差別許されない社会に」LGBTQへの差別問題に、U30が訴えること【参院選2022】

LGBTQ当事者の若者からも、切実な声が届いた

「同性愛とか色んなことで可哀想だと言って…」

「同性愛は精神障害か依存症」

7月10日に投開票の参院選を前に、政治家や関係団体などによる性的マイノリティ(LGBTQ)に対する差別的な発言や文書が、相次いで明るみに出ている。

こうしたLGBTQに対する差別的な言動の数々は、今に始まったことではない。

そんな日本の状況は、U30(30歳未満の若者)の目にどう映るだろうか。

ハフポスト日本版は6月、「U30社外編集委員」を務める能條桃子さんとともに企画した「選挙アップデートfor U30」プロジェクトのアンケートを実施した。

寄せられた切実な「声」とはーー?

自民党議員が参加する会合で性的マイノリティに差別的な内容の冊子が配布されたことに対する抗議の参加者たち(2022年7月、東京・永田町の自民党本部前)
自民党議員が参加する会合で性的マイノリティに差別的な内容の冊子が配布されたことに対する抗議の参加者たち(2022年7月、東京・永田町の自民党本部前)
Jun Tsuboike / HuffPost Japan

LGBTQ当事者の若者「望む性で法律婚」「古い考え変えて」

2050年、「こうなったらいいな」という日本の姿は?

そう尋ねる質問に、U30からは「LGBTへの差別解消法が施行されている」「同性婚が法制化されている」「トランスジェンダーへのバッシングがなくなっている」などの制度面の改善を求める声が上がった。

中には、LGBTQの当事者の声も。

自らの性のあり方などが特定の枠に属さない、分からないとする「クエスチョニング」だという20代の若者は、「自分の望む性別で、もしくは性別の記載をしなくても、法律婚を選べること」「法律婚をしない独身者も既婚者と同等の権利を得られること」などを求めた。

「生物学的性別は女性」としながらも、自身の性別を男女どちらでもないと認識する「ノンバイナリー」だと明かす20代の大学生は、今の社会を「(誰かを)“◯◯な人”としか評価できない社会」と捉えた。

「“あなただから”、“私だから”で生きられる世界なら、女なのか、男なのか、同性愛者かなんて関係ない」。ジェンダーや地位などの属性を「カバン」にたとえ、「誰もがカバンを持たなくてもいい世界」になることを求めた。

「クエスチョニング」だという中学生は、「日本は古い考えに固執しすぎ。ジェンダー意識などにかかわる問題は、『変えるのが面倒だから』と放置し、ボロが出た状態」と分析。「日本社会を変えるには、若者の意見を積極的に政治に反映させなくてはならない」と訴えた。

20代の若者も「市民と政治家の間で、時代感覚が10年以上も違うのではないかと思うことが多い」と指摘。「ジェンダーやセクシュアリティのイデオロギー(政治思想)の強さに辟易する」と苦言を呈した。

自民党議員が参加する会合で性的マイノリティに差別的な内容の冊子が配布されたことに対する抗議の参加者たち(2022年7月、東京・永田町の自民党本部前)
自民党議員が参加する会合で性的マイノリティに差別的な内容の冊子が配布されたことに対する抗議の参加者たち(2022年7月、東京・永田町の自民党本部前)
JUN TSUBOIKE / HUFFPOST JAPAN

「“普通”の範囲、広げて」

「日本は50歳以上の男性のみで成り立っている社会ではないはず」

そう訴えた20代の若者は、「性的なアイデンティティなどが『社会の普通』ではないという理由で差別することが許されない社会に、“普通”の範囲が広がる社会になって」と求めた上で、「そのためには同性婚などの制度の充実が必要」と強調した。

別の20代の若者は「ジェンダーに関わる課題がいつも後回しになっているように感じる。LGBT理解増進法も成立せず、出鼻をくじかれた思い。マイノリティの人々について、一体どう考えているのか」と疑問を呈した。

20代からは「LGBTQの権利などにかかわる社会課題を、国際水準で解決してほしい。現状、日本は欧米の顔色を伺って、何歩も遅れて行動している」との声も上がった。

「女性が女性であることに苦しまず、生き生きと生活しやすい国に」(20代)、「女性のもやもやに向き合って」(同)、「国会議員や企業の社長・役員などの半数を女性に」(同)などと、ジェンダーギャップの改善を求める意見もあった。

20代の女子大学生は「女性がもっと社会で活躍できるような社会を築いてほしい。そのためにも、女性議員が増えることは絶対に必要」と訴えた。

別の20代の女子大学生は「女性がマイノリティでない、女性(の活躍)が阻害されない社会や政治をつくって」と求めた。

差別的な言動、ついえず

参院選を前に明るみに出た政治家や関係団体などによる性的マイノリティ(LGBTQ)に対する差別的な発言や文書に、波紋が広がっている。

「同性愛は精神障害か依存症」「LGBTの自殺率が高いのは、社会の差別が原因ではない」

LGBTQに対して差別的で事実に誤りのある内容の冊子が、6月に開かれた自民党の国会議員が参加する会合で配布されていたことが明らかになった。

これを受け、7月4日、東京都千代田区の自民党本部前で『Stand for LGBTQ+ Life』と題した抗議活動が行われた。

比例代表に自由民主党から立候補している井上義行氏は出陣式の第一声で「同性愛とか色んなことでどんどん可哀想だと言って、じゃあ家族ができないで、家庭ができないで、子どもたちは本当に日本に本当に引き継いでいけるんですか」と述べた。

その上で、「しっかりと家族を産み出し、そして子どもたちが多く日本にしっかりと産み育てる環境を私たちが今作っていかなければいけないと思いませんか皆さん。その闘いでもあります」と話した。こうした発言に、「同性愛者への差別だ」などと批判の声が上がった。

〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉