セレブの自家用ジェットに批判の声。CO2排出量ワースト1位のテイラー・スウィフトはどう反論した?

かつては「ステータス」でもあったプライベートジェット。気候危機の問題が深刻化する中、批判の声が広がっている。
テイラー・スウィフト
テイラー・スウィフト
Dave J Hogan via Getty Images

かつては「ステータス」の一つでもあったセレブのプライベートジェットに、今批判が高まっている。

セレブ一家として著名なカーダシアン家の末娘であるカイリー・ジェンナーや、ラッパーのドレイクらが短時間での移動にプライベートジェットを使用したことが、7月に相次いで明らかに。気候危機の問題が深刻化する中、プライベートジェット機の使用によってCO2が大量に排出され、環境破壊をもたらすとして、環境保護団体からも非難されている

この出来事をきっかけに、イギリスのマーケティング会社「Yard」がセレブのプライベートジェットの使用時間を調査し、ランキング形式で発表。不名誉なワースト1位を獲得したのは、歌手のテイラー・スウィフトだった。

一方、スウィフト側はこの調査に対し反論している。

「平均の1000倍のCO2排出」⇨「他者に貸し出してる」と反論

Yardが公表したデータでは、スウィフトが所有する飛行機は、2022年1月以降、170回以上のフライトを行い、CO2排出の総量は8293トンに及んだと報告。この数値は、1人あたりの平均年間総排出量の1184.8倍だという。フライトの平均時間は80分で、一番短いフライトはミズーリ州からナッシュヴィルまでの36分だと発表した。

なお、このデータは、セレブのプライベートジェットを追跡するツイッターアカウント「Celebrity Jets(@CelebJets)」が発信する情報をもとに調査されたもの。同アカウントの運営者は、イーロン・マスクのプライベートジェット追跡で話題となった大学生のジャック・スウィーニーさんだ。

この調査が発表されると、スウィフトの代理人は、音楽誌「ローリング・ストーン」と通じて声明を発表。スウィフトは、普段から他者にプライベートジェットを貸し出しており、「これらのフライトのほとんど、もしくはすべてを、テイラーの移動によるものだと判断するのは明らかに誤りだ」と反論した。

Yard側は「これらの著名人がすべてのフライトに乗っていたかを判断する方法はないが、調査の目的は、プライベートジェットの使用による悪影響を強調すること」だとコメントしている。

カイリー・ジェンナーは19位だった

ランキングでは、2位には元プロボクサーのフロイド・メイウェザー、3位にはラッパーのジェイ・Zなどが並んでいる。ネット上で批判が集まったカイリー・ジェンナーは10位には入らず、19位だった。

カイリー・ジェンナーとトラヴィス・スコット
カイリー・ジェンナーとトラヴィス・スコット
Mindy Small via Getty Images

「Celebrity Jets」のアカウントは7月、ジェンナーがパートナーのトラヴィス・スコットともに、17分のフライトを行ったとツイート。ジェンナーはインスタグラムに、「私のに乗る? それともあなたの?」というコメントとともに、ジェット機の前でスコットとハグする写真を投稿しており、「自分のことだけで、地球のことを考えていない」「温暖化の犯人だ」などと批判の声が広がった。同乗したスコットもプライベートジェットを所有しており、Yardのランキングでは10位に選ばれている。

さらにその数日後、「Celebrity Jets」は、ラッパーのドレイクが14分間のフライトのために、プライベートジェットを使ったと投稿すると、メディアでも大きく取り上げられる事態に。報道したメディアRealTorontoNewzのインスタグラムのコメント欄で、ドレイクは「詳細に興味がある人に対して言うけど、これは単にジェット機を格納している空港に動かしただけ」「誰もそのフライトには乗っていない」と釈明した

環境保護団体のThe Nature Conservancyによると、アメリカの国民1人当たりの年間CO2排出量がおよそ16トンであるのに対して、世界全体の平均はおよそ4トンだといい、アメリカのCO2排出量は諸外国と比較しても多い。

一方、航空業界ではCO2削減に向けて国際的な取り組みが始まっている。IATA(International Air Transport Association、国際航空運送協会)は、2021年10月の年次総会で、温室効果ガスの排出量を2050年には実質ゼロとする目標を賛成多数で採択した