11月にサッカーW杯が開催されるカタールで、現地の治安部隊がLGBTQ当事者を恣意的に拘束し、拘留中に暴行しているとする報告書を24日、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチが発表した。
発表によると、同性愛を法律で禁じているカタールでは2019年から2022年の間に、拘束したLGBTQ当事者に対して留置場で繰り返し激しく殴打するケースが6件、セクシャルハラスメントが5件あったという。
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また、聞き取り調査に応じたトランスジェンダーの女性4人、バイセクシュアルの女性1人、ゲイの男性1人の計6人全員が、カタール内務省の予防保安局の職員によって、ドーハのアル・ダフネにある地下刑務所に拘留されたと証言。そこでは、言葉による嫌がらせだけでなく、出血するまで殴ったり蹴ったりする身体的虐待もあったという。
2カ月にわたって監禁され、弁護士に相談することもできなかったというケースもあった。さらに6人全員が、警察によって「不道徳な行為をやめる」誓約書へのサインを強要されたと話している。
カタールのすべての住民に人権を
カタールは法律で同性愛を禁じているものの、FIFAの規則に従い、ワールドカップではLGBTQを表すレインボー・フラッグのスタジアムへの持ち込みを許可する。しかし今回の発表によれば、ワールドカップの開催準備中にも、カタールの治安部隊はLGBTQ当事者への暴力を続けていることになる。
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ヒューマン・ライツ・ウォッチは、「ワールドカップのためにカタールを訪れる観客だけでなく、カタールのすべての住民に対して、表現の自由と、性的指向や性自認に基づく差別の禁止を永久に保証するべきだ」と訴えている。