「私なんて」と自分を制限するのは、もったいない。LiLiCoが語る“マニュアルに頼らない”生き方

好評連載 第35回 LiLiCoの「もっとホンネで話そう。私たちのこと」
タレントのLiLiCoさん
タレントのLiLiCoさん
Yuko Kawashima

世間を騒がすイシューからプライベートの話題まで、LiLiCoさんがホンネで語り尽くす本連載。今回のテーマは、「人生の可能性を広げる方法」です。

「自分の『やりたい』を自分で止めてしまう人が多くてもったいない」と話すLiLiCoさん。新年を迎え、1年をどう過ごすか考える人も多いこの季節。つい頭をよぎる「私なんて」を乗り越え、一歩踏み出すヒントについて語ります。

「やってみたい」を大切にする1年に

ここ数年のコロナ禍やおうち時間で自分と向き合う時間が増え、やってみたいことが新たにできた人は多いのではないでしょうか。今年は、そんな自分を大切にする年にしてみませんか?

Yuko Kawashima

レギュラー出演しているラジオに、よく「好きな人がいるけど告白できません」という悩みが届きます。告白するのは勇気がいること。振られて傷つきたくないという気持ちもあるでしょう。でも、まずは打ち明けてみないと相手の気持ちはわかりません。もしパートナーがいたとしても、あなたが知らぬ間に別れているかもしれないし、その人もあなたを好きな可能性だってある。

もしあなたが結婚したいなら、結婚すればいい。離婚だって、子どもがいなければ悩むことはありません。名字が変わる側は離婚後の手続きで手間はかかるけど、全部終わればすっきりして気分がいいですよ。親に「離婚して実家に戻りたい」と打ち明けたら、「じゃあ一緒に住もう」と意外と喜ぶかもしれません。お子さんを連れていたら、一緒に子育てしたいと思ってくれるかもしれない。

得意なことを仕事にしたいなら、今はネットで発信したり、SNSや通販サイトで物を売ったりすることもできる時代です。

恋愛や日常生活、人間関係、仕事。どんなことでも「私なんか」と自分で自分を止めるのはもったいないし、人と比べる必要もありません。自分を信じることは難しいけれど、まずはやってみる。合わないなと思ったらやめればいいんです。

私も、やってみてやめたことがたくさんあります。例えば、習いに行ったものの素質のなさを痛感して諦めたギター。タイに住む弟のパートナーの家族と話したくて学び始めたタイ語も難しくて断念しました。やめても、代わりの方法を探すことはできます。今は、弟の家族と話す時にはいつも直前に挨拶の言葉をいくつか暗記することにしています。

Yuko Kawashima

「できない」は、固定観念かもしれない

52年の人生で、誰かの命が突然終わる場面を何度も目にしてきました。だから今、私は自分も明日死ぬかもしれないと思って生きています。

みんな、自分の人生のありがたみをもっと感じてほしい。悪いところより、いいところを見ましょうよ。私は映画『ハンサムスーツ』に出てくる「幸せな瞬間を写メするゲーム」が大好きなんです。毎日いいところを探していれば、人生の幸せの大きさがまったく違うものになるはず。

人生は有限。自分の人生の可能性をいろいろな方向に広げて考えてみませんか。

日本は、「どこかの誰かが決めたルールに沿って生きなければならない」といった見えないプレッシャーによって、自分の人生を生きられない人が多いと感じます。世間体や慣習など、日本社会のマニュアルにとらわれるのは、もったいない。

でも良いプレッシャーも存在します。プレッシャーは自分を成長させてくれる人生の大切なスパイス。プレッシャーによって具合悪く感じるのか、やる気を起こしてくれるのか、自分に正直に! 自分にとって幸せとは何かを考えてみてください。

Yuko Kawashima

「30までに結婚したいけど、相手が見つからない」という悩みもよく聞くけれど、結婚に期限はありません。好きな人と出会った時にしたくなるものです。

「何かしたい。でもできない」と思うとき、その「できない」が固定観念かもしれない、と疑ってみて。

数年前、大相撲の大会で、観戦に来ていた市長が挨拶の最中に土俵の上で倒れたとき、駆けつけて救命措置をした女性の看護師が行司から「女性は土俵から降りてください」と注意を受けたという事件がありました。人の命よりも女人禁制のルールを優先するなんて、信じられない話です。

知らず知らずのうちに、こうした“マニュアル重視”をしていませんか?

私も、他人の決めた固定観念にとらわれているときがありました。下積み時代、「日本人らしくしないと売れないよ」と言われ続けて、懸命に日本人らしく振る舞おうとしていたんです。でも、ある日テレビ番組のプロデューサーに「LiLiCoは日本人になりすぎてつまらない」と言われました。

「私、今まで何をしてきたんだろう」とひどくショックを受けました。でもそこから自分らしく振る舞えるようになって、他の誰とも違うLiLiCoになれたんです。

私は、映画コメンテーターらしくなくて、外国人らしくも日本人らしくもなく、“ハーフタレント”らしくもない。ただただ自分だから、ここまで仕事も途切れずやってこれて、人生も楽しくなったのだと思っています。

だからと言って、「じゃあ、LiLiCoさんが言ったとおりにすればいいんですね?」とも考えないでほしい。あなたは私とは別の人間。たった一人しかいないあなたに合った方法は何か考えてほしいな。

Yuko Kawashima

家族や友達でも完璧に合う人はいない

日本には、家族や友達と「同じでないといけない」と思い込んで、自分を苦しめている人も多いように感じます。

私も昔は、「結婚する人は、自分の仲間たちと集まるときには絶対に参加して盛り上がれる人がいい!」と考えていました。でも今は、そういうのは必要ないなと思います。家に来た友達に「こんにちは、元気?」とにこやかに挨拶してくれれば、それだけでいい。

友達がいないと不安で、無理して人付き合いをしていた時期もありましたが、今は親友が数人いれば十分に幸せだという考えです。親友と友達の区別をつけることも、不要かもしれませんね。数にこだわる付き合い方は、縄張りを作るみたいでダサいなと思うようになりました。

Yuko Kawashima

友達はもちろん、親も兄弟も他人。何から何まで完璧に合う人なんて、この世に存在しません。長く生きていれば、自分や他人の考えが変わることもあるでしょう。だって、人は成長しますから。

仲がよかった相手でも、許せないほど価値観が合わなくなってしまったら、付き合いをやめてもいいんです。

「友達に恋人ができてから距離を感じるようになってしまった」という悩みもよく聞くけれど、恋人に夢中な時期は放っておいて大丈夫。今は離れていても、またいつか友達との縁が戻ることもあるかもしれません。

これからの人生で、新しい友達もたくさんできるでしょう。私は50代になっても、会ったその日にまるで昔から知り合いだったかのように意気投合する人がいますよ。

2023年は字幕翻訳デビューの夢を果たす

Yuko Kawashima

2023年は、私にとって字幕翻訳デビューという夢を果たす年です。スウェーデンで長年愛されている人気刑事もの映画『刑事マルティン・ベック』のDVDボックスで、キャストのオーディオコメンタリーの翻訳を担当しています。

プライベートでは、小田井(夫でタレントの小田井涼平)と今年こそ一緒にクリスマスのスウェーデンに帰りたい!コロナ禍で家族に会えない期間が長く続きましたが、そろそろ我慢の限界。父の80歳のバースデーがある夏にもサプライズで帰りたいと思っています。

今年は、2020年の夏に転倒して膝の骨を折ってから3年目のタイミングでもあります。「走れるようになるまでは最低3年は頑張らないと」と言っていたリハビリの先生の言葉を信じてリハビリに励んで、夏までに小走りぐらいはできるようになれたら。アンバサダーを務めているマラソン大会で、少しでも参加者の皆さんと一緒に走れたらと思っています。

とにかく健康第一!そして、思いっきり仕事して思いっきり遊ぶ1年にしたいですね。

Yuko Kawashima

(取材・文=有馬ゆえ、写真=川しまゆうこ、編集=若田悠希)

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