【夏の甲子園決勝2023/テレビ放送時間・見どころ】仙台育英vs慶応。史上7校目の夏連覇か、107年ぶりの優勝か。注目選手は?

仙台育英の須江航監督、慶応の森林貴彦監督はともに説得力のある「言葉」を持つ監督だ。高校野球の「未来」を感じさせる決勝となる。
阪神甲子園球場
阪神甲子園球場
時事通信社

阪神甲子園球場で行われている夏の全国高校野球選手権大会。決勝戦が8月23日に行われる。

去年に続く決勝進出で史上7校目の大会連覇を目指す仙台育英(宮城)と103年ぶりの決勝進出で107年ぶりの優勝を目指す慶応(神奈川)が対戦する。

高校野球の夏の頂点が決まる注目の一戦、テレビ放送時間や試合の見どころ・注目ポイントなどを紹介する。

テレビ放送時間・ネット配信まとめ

決勝戦はテレビで放送される。放送時間などの詳細は、次のとおりだ。

【NHK総合】午後1時50分〜

「第105回全国高校野球選手権大会 決勝」

解説:廣岡資生さん、アナウンサー:伊藤慶太アナ

また、朝日放送テレビ(および系列各局)やBS朝日(4K)でも放送される。

テレビのある環境で楽しめない人はネット配信で試合を見ることができる。

ABEMAやスポーツナビ、スポーツブルで視聴できるバーチャル高校野球では試合開始前の午後1時半から決勝の模様が配信される。

「青春って密」から1年、夏連覇か仙台育英

仙台育英を率いるのは、2022年の大会優勝後のインタビューで「青春って、すごく密なので」とコメントし、自身の言葉が世間の注目を集めた須江航監督。

史上7校目の「夏・連覇」を目指して挑む今大会。宮城大会を勝ち抜くと、甲子園でもチーム一丸で決勝まで勝ち上がった。特徴は選手層の厚さ。背番号1の高橋煌稀投手と背番号10の湯田統真投手を中心に5人の投手で守り抜く。須江監督の采配では継投のタイミングにも注目だ。

神村学園に勝利し、校歌斉唱する仙台育英ナイン
神村学園に勝利し、校歌斉唱する仙台育英ナイン
時事通信社
力投する仙台育英の高橋煌稀投手
力投する仙台育英の高橋煌稀投手
時事通信社

野手陣も抜け目ない。橋本航河選手は今大会の打率が.579と高いアベレージ。リードオフマンが攻撃の口火を切る。さらに、尾形樹人選手と鈴木拓斗選手はここまで、それぞれ2本のホームランを放っている。ショートを守る主将の山田脩也選手を中心とした内野の守備も鍛えられている。

「事実上の決勝戦」と言われた履正社(大阪)に勝利すると、準決勝の神村学園(鹿児島)戦では重要な場面で「スクイズ」で得点。攻撃では緊迫した場面での小技も光る。

真紅の大優勝旗が「白河の関」を越えた翌年のこの夏、連覇に向けても視界良好。「青春って密」から1年、高校野球の主役は選手だが、連覇を果たした時、須江監督からどんな言葉が聞かれるかにも注目だ。

仙台育英の須江航監督(2022年夏)
仙台育英の須江航監督(2022年夏)
時事通信社

 「大応援団」の力を背に優勝へ、慶応

アルプスの大応援団が団結して力を込めて歌う慶応の応援歌「若き血」や「ダッシュKEIO」。東京六大学野球でも聞き馴染みのあるこの曲を、この夏、何度も甲子園で聞いた。

この大応援団の力を背に戦うのが、神奈川の慶応だ。「陸の王者」の応援のインパクトは、対戦相手にじわじわとプレッシャーを与える。

土浦日大に勝利し、校歌斉唱する慶応ナイン
土浦日大に勝利し、校歌斉唱する慶応ナイン
時事通信社

甲子園では順調に勝ち進んできた印象があるが、強豪ひしめく神奈川大会決勝では横浜高校を相手に一時は窮地に立たされた。9回表に本塁打で逆転すると、6-5で競り勝ち、5年ぶり19回目の甲子園出場を決めた。

注目は背番号8の丸田 湊斗選手。ここまで7安打で打率は.438。高い出塁率と超打率を誇り、慶応打線を牽引してきた。また、元プロ野球選手の清原和博さんの息子・清原勝児選手は代打で好機を待つ。

慶応の丸田湊斗選手
慶応の丸田湊斗選手
時事通信社

父の和博さんは38年前、PL学園の選手として夏の甲子園で優勝を掴んでいる。「親子」での夏・制覇なるか、高校野球ファンの注目ポイントだ。

チームを率いる森林貴彦監督が掲げるのは「エンジョイ・ベースボール」。選手の自主性を重んじる方針を貫いてきた。高校球児の坊主文化は「旧態依然の象徴」として、ルールとするのをやめた。選手の髪型も自由だ。

2019年のハフポストのインタビューでは、次のように話している。

「多くの人がイメージする『ザ・高校野球』があるとしたら、慶應は違うやり方にチャレンジして、野球自体の幅を広げたい。『こういう考え方もあります』と、他のチームや指導者、世間の人に提案する役割もあるのかなと思っています。坊主でないことも、その一つです。『慶應が優勝したら世の中が相当変わる』と選手にも言っています」

 

優勝し、高校野球界に新たな「風」を吹き込むことはできるのか。

慶応の森林貴彦監督
慶応の森林貴彦監督
時事通信社

両校は2023年春の選抜高校野球でも対戦している。聖地・甲子園での対決は、その時以来となる。選抜での対戦は延長10回タイブレークにもつれ込む熱戦。2対1で仙台育英が勝利し、敗れた慶応は辛酸を舐めた。陸の王者はこの時の雪辱を果たせるか。

仙台育英の夏連覇か、慶応が春の雪辱果たし107年ぶりの優勝か。決勝は23日午後2時プレイボール予定だ。

注目記事