サメに襲われて大怪我の学生「さよなら」伝えるため動画を撮影。「命が助かるとは思わなかった」

オーストラリアでサメの被害に遭ったのは、シュノーケリングを楽しもうとした20歳の学生でした

オーストラリア・クイーンズランド州で、学生がシュノーケリングを楽しもうとした矢先、サメに襲われて右足を失う大怪我を負った。死んでしまうと思った本人が「サヨナラを言うため」に、急きょカメラを回して惨劇を記録していた。

イタリア紙「ガゼッタ・ディ・パルマ」が報じ、NBCニュースUSAトゥデイなども取り上げている。

NBCニュースによると、学生はイタリア出身のマテオ・マリオッティさん。2022年からオーストラリアで海洋生物学を学んでいる20歳だ。

悲劇が起きたのは12月8日。ほんの少し沖に出て、マリオッティさんがシュノーケリングを楽しもうと海中に入ったときにサメに襲われた。

マリオッティさんは再び襲われるかもしれないと思い、とっさに小型カメラの「GoPro」と思われる機材で動画を撮り始めた。マリオッティさんはこの時の動画を自身のInstagramに投稿。撮影の判断について、「最後の一撃を受けてからすぐに動画を回し始めました。サヨナラを言いたかったんです。あんな怪物に襲われて命が助かるとは思いませんでしたから」と説明している

動画は、マリオッティさんが持っているとみられるカメラが海中で激しく動いているところから始まる。そのうちカメラは水面に向けられ、シュノーケルをつけたマリオッティさんの姿を捉える。なんとか岩場まで逃れてきたところで、マリオッティさんは止まり、水上にカメラを持ち上げた。

そこに映ったのは、みるみる血の色に染まっていく海水の様子だった。

マリオッティさんは友人に助けを求め、「水から引き上げて」と叫んでいる。

マリオッティさんを救助した友人はUSAトゥデイの取材に「最初はパニックになりました。でも、すぐに助けるにはどうしたらいいか考え、できる限りのことをしました」と答えている。

マリオッティさんは病院に搬送された。地元の救急搬送サービスの担当者は怪我の状態について、「(右の)足首のところと下腿の真ん中あたりをかまれる重傷」と説明している。大怪我を負った足は、治療のために膝から下からの部分が切断されたという。

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