冬の室内では、暖房と同時に加湿器を併用している人が多いのではないでしょうか。
ウェザーニュースで実施した「冬場、自宅で加湿器使う？」というアンケート調査では、約4割の人が「使っている」と回答しました（2024年1月21〜22日実施、12,230人回答）。
加湿器は、乾燥を防ぐことでさまざまなトラブルを予防してくれます。乾燥は美容や健康の大敵。乾燥する冬は、注意が必要です。
加湿器にはいろいろなタイプがあります。その中でも家庭でよく使われるスチーム式の正しい使い方を、加湿器メーカーのアイリスオーヤマ株式会社に伺いました。
スチーム式加湿器のメリット
加湿器には、どのようなタイプがあるのでしょうか。
「加湿器には、『スチーム式』、『気化式』、『超音波式』の3タイプと、これらを組み合わせた『ハイブリッド式』があります。
『スチーム式』は、水をヒーターで加熱して蒸気を発生させ、温かい蒸気で室内を加湿します。『気化式』は、水を含ませたフィルターにファンで風を当て、水を気化させることで室内を加湿します。『超音波式』は、水を超音波の振動で霧状のミストにし、それを空気中に飛ばすことで室内を加湿します。
このうちのどれか2つを組み合わせたものが『ハイブリッド式』です」（アイリスオーヤマ）
スチーム式には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
「スチーム式は、別名加熱式とも呼ばれ、高温の蒸気を室内に送り込むことで室温も上がり、寒い季節には加湿と同時に“暖もとれる”メリットがあります。
また、他の方式に比べて水分が短時間で多く放出されるのでスピーディーに加湿でき、広いスペースを加湿するのに向いています。
さらに水を加熱・沸騰させるので加湿器内に雑菌が繁殖しにくいこともメリットの一つです」（アイリスオーヤマ）
効率よく加湿される場所は？
スチーム式加湿器は、室内のどこに置くと効率的に加湿できるのでしょうか。
「室内全体をまんべんなく加湿したいのであれば、室内の真ん中に置くのがベストです。加湿器の目的は部屋全体に湿気を行き渡らせることなので、部屋の隅に置いたのでは効果を十分発揮できません。
部屋の真ん中に置くとエアコンの風が当たってしまう場合は、エアコンの真下がオススメです。ただし、エアコンの下は壁沿いになってしまうので、エアコンを使っていないときは部屋の中央に置くなど、状況によって加湿器を移動させる必要があります。
置く場所の高さも大切です。温かい空気は上にたまり、冷たい空気は下にたまる性質があります。床に置いて加湿すると、水蒸気が床に落ちて結露になるので、床からの高さが30cm以上あるところに置きましょう。安定した台か机の上に置くことをオススメします。
スチーム式加湿器は、熱い蒸気が発生するため、火傷に気をつけなければなりません。赤ちゃんや小さい子どもがいる家庭は、高所に設置したほうが安全でしょう」（アイリスオーヤマ）
就寝時はつけてもOK？
スチーム式加湿器は、寝ている間もつけていていいのでしょうか。
「寝ている間の乾燥を防ぐため、夜中もずっと加湿器をつけているケースもみられますが、室内環境によってはよくない場合があります。寒い時期に暖房を消して寝ると、就寝中に室温が下がって加湿器から出た蒸気が結露しやすく、カビやダニが発生するおそれがあるのです。
また、加湿し過ぎると肌についた水蒸気が蒸発するとき肌の水分を奪い、肌の乾燥につながる可能性もあります。寝ている間の乾燥を防ぎたいなら、寝る前まで十分に加湿し、タイマー機能を使って就寝中はオフにするなどの工夫が必要です」（アイリスオーヤマ）
その他、加湿器使用の注意点
その他に、加湿器を使うときは、どのようなことに気をつければいいでしょうか。
「置いてはいけないNGの場所があるので覚えてください。
壁紙や窓の近くは、水蒸気が結露を発生させるので避けなければなりません。部屋の壁、カーテン、家具の近くには置かないようにしましょう。
テレビやオーディオ、パソコンなどの近くに加湿器を置くのもNGです。精密機械にとって水分は大敵なので、故障の原因になります。
空気の循環を目的とするサーキュレーターを加湿器と併用すると、部屋全体を隅々まで効率的に加湿できます。サーキュレーターは、加湿器の近くで低い位置にセットするのがポイントです。風向きを斜め上にすると、天井に当たった風が全体的な加湿をサポートしてくれます。
スチーム式加湿器は他のタイプより雑菌が繁殖しにくく、お手入れに手間がかからないと言われていますが、お手入れしなくてもいいわけではありません。タンクの水は、毎日交換してください。
本体の水も捨てて、柔らかい布で拭くと清潔が保てます。汚れが目にとまったら、古い歯ブラシなどで洗い落としてください」（アイリスオーヤマ）
まだまだ冬の寒さと乾燥が続きます。加湿器を上手に使って、美容と健康に役立てましょう。
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