避難所に日本語に不慣れな外国人がいたら…便利な多言語ツール4つ

能登半島地震の被災地や避難所で日本語に不慣れな外国人がいた場合、これらの多言語ツールやサービスが便利です。

石川県を震源とする能登半島地震により、多くの人が避難所生活を余儀なくされています。

もし被災者の中に、日本語に不慣れな外国出身の人などがいたら……。

自治体や団体などが、避難所や被災地で使える、多言語ツールなどを公開しています。

その中から4つのツールやサービスを紹介します。

1:避難所用「多言語表示シート」

避難所用「多言語表示シート」
避難所用「多言語表示シート」

公益財団法人「栃木県国際交流協会」は、避難所で使える多言語表示シートをサイト上で公開しています。

食事の配布時間、携帯電話の充電場所、トイレなど、避難所で生活する人が必要な情報50項目について、13言語で表記しています。

対応言語は日本語、やさしい日本語、英語、ベトナム語、中国語、タガログ語、ポルトガル語、スペイン語、韓国語、ネパール語、タイ語、シンハラ語、インドネシア語。シートはサイトからダウンロードし、印刷して使えます。

「避難所は住所・性別・国籍・在留資格など関係なくどなたでもサービスを受けられます」など、避難所の存在を知らなかったり、避難所利用になれていなかったりする外国人向けの張り紙もあります。

2:緊急対応で、通訳サービスの無償提供

ランゲージワンが緊急災害対応として提供する通訳サービスの仕組み
ランゲージワンが緊急災害対応として提供する通訳サービスの仕組み

多言語対応のコールセンターを運営するランゲージワンは、今回の地震で被災した地域への緊急対応として、24時間体制で13言語での通訳を無償提供しています。

対応可能な言語は、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、ロシア語、タガログ語、ベトナム語、ヒンディー語、ネパール語、インドネシア語、フランス語。

緊急災害電話通訳ダイヤルは、03-6436-3677です。

詳細はランゲージワンのサイトから。外国人被災者や支援者・自治体担当者らが、電話で通訳を依頼することができます。

3:災害時の指さし会話シート

ゆびさしが無料公開する被災地支援指さし会話シート
ゆびさしが無料公開する被災地支援指さし会話シート

「旅の指さし会話帳」を作る株式会社「ゆびさし」は、災害時用に「被災地支援外国語対応ツール」を無料公開しています。

旅の会話帳と同じく、指をさして会話することができます。

中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、英語、スペイン語、ポルトガル語、フィリピン語、インドネシア語、ベトナム語、タイ語に対応しています。

4:4言語で対応の災害用コミュニケーションボード

大府市の災害用コミュニケーションボード
大府市の災害用コミュニケーションボード

愛知県大府市は、4言語対応(日本語、英語、中国語、ベトナム語)の災害用コミュニケーションボードを公開しています。

被災者との会話を想定した、被害状況や健康状態、困りごとについての質問や答えが指さしでできるようになっています。

このシートは元々、聴覚障がいや知的障がい、発達障がいがある被災者が円滑なコミュニケーションを取れるようにと作られました。

イラストを多用し、多言語化したことで、日本語に不慣れな人にもわかりやすい表示になっています。

視覚障がいや聴覚障がい、車いすユーザー、発達障がいなど、それぞれの障がいがある人が避難時に必要とする配慮については、こちらの記事から。

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