北野武氏、ジャニー喜多川氏めぐる性被害告発に「ようやく声を上げる時代がきた」米誌のインタビューで明かす

北野氏は、巨大な芸能事務所はタレントを奴隷のように扱ってきたとも述べています

大手芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」の元所属タレントが、創業者ジャニー喜多川氏(2019年に死去)からの性暴力を相次いで告発した問題について、映画監督で漫才師、俳優の北野武氏が「声を上げる時代が来た」とコメントした。

北野氏は5月24日、カンヌ国際映画祭で開かれた自身の監督作品『首』の上映会で、ハリウッドレポーターのインタビューに応じた。

ジャニーズの性加害問題への見解を求められ「日本でもようやく、LGBTQのことや性的ハラスメントについて声をあげる時代が来た」「しかしそういった(ハラスメントの)話は、これまでずっと(私たちの業界を)取り巻いてきた」などと述べたという。

カンヌ国際映画祭で、『アステロイド・シティ』上映会のレッドカーペットに姿を見せた北野武氏(5月23日)
カンヌ国際映画祭で、『アステロイド・シティ』上映会のレッドカーペットに姿を見せた北野武氏(5月23日)
Lionel Hahn via Getty Images

喜多川氏の性暴力問題が大きく取り上げられるきっかけになったのは、3月に放送されたBBCのドキュメンタリー『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』だ。

番組では、喜多川氏から性的虐待を受けたという複数の元所属タレントの証言が紹介された。加えて、大手メディアや日本社会がこの問題から目を背け、芸能界の有力者として喜多川氏を賞賛し続けてきたことを報じた。

ドキュメンタリーは大きな反響を呼び、4月に元「ジャニーズJr.」で歌手のカウアン・オカモト氏が記者会見して喜多川氏から性被害を受けたと述べるなど、元所属タレントによる告発が続いている。

さらに5月14日には、現社長の藤島ジュリー氏が動画で「被害を訴えられている方々に対して深く、深くお詫び申し上げます」「関係者の方々、ファンの皆様に大きな失望とご不安を与えましたこと、重ねてお詫び申し上げます」と謝罪した。

記者会見したカウアン・オカモト氏(2003年4月12日)
記者会見したカウアン・オカモト氏(2003年4月12日)
via Associated Press

BBCのドキュメンタリーの放送後に、ようやく大きな社会問題として取り上げられるようになった喜多川氏の性的暴行疑惑だが、1960年代から週刊誌などで報じられ、同氏を訴える裁判の中で被害証言も出ていた。

さらに1988年には、元所属タレントでフォーリーブスのメンバーだった北公次氏が、喜多川氏による性被害を著書『光GENJIへ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記』で告発している。

自身は1970年代から芸人としてのキャリアを築いてきた北野氏は、ハリウッドレポーターのインタビューで「戦後、日本には巨大な芸能事務所ができた。そういった事務所は、(公平な)契約を結ぶより、タレントを奴隷のように扱ってきた。それは今でも続いている」「タレントの収入が搾取されている。最近、そういった過去の古い制度的慣習やその他の問題が、明るみに出ている」とも述べている。

注目記事