40歳代が最も「ゆるさ」を求めている。7割が給料より「働き方」を優先。転職条件の実態を公表

「転職条件の実態調査」の結果が公表されました。回答者の約7割が給料より「働き方」を優先する結果となりました。
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キャリアや就職、転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を開発・運営するライボ(東京)が2月26日、「2024年 転職条件の実態調査」の結果を公表した

回答者の約7割が給料より「働き方」を優先する結果となったほか、40歳代が最も「厳しさよりも『ゆるさ』」を求めていることが明らかとなったという。

働き方を優先。ゆるさの定義は?

調査は2月7〜13日、インターネット上で行われ、全国の20〜50歳代の603人(在職中)が回答した。

近年、働き方の見直しに注目が集まっていることから、社会人が転職する際にどのような環境を選ぶのかや、企業風土とキャリアの関係性についてどのような意識を持っているのかなどを調べる目的で実施した。

その結果、「転職先を決める際に『働き方』と『給料』のどちらを優先するか」という質問に対し、「働き方」と回答した人が65.8%を占める結果となった。

内訳は、「断然働き方」が15.4%、「働き方」が19.4%、「どちらかといえば働き方」が31.0%だった。年代別では、20歳代の71.1%が最多で、40歳代の70.3%、30歳代の62.3%、50歳代の58.6%と続いた。

次に、「キャリアは企業風土に左右されるか」を尋ねると、「左右されると思う」が83.6%となった。内訳は、「とても左右されると思う」が22.4%、「左右されると思う」が31.0%、「どちらかといえば左右されると思う」が30.2%だった。

また、「職場のゆるさの定義」について聞いたところ、「出退勤時間・働き方が自由」が55.4%と最も多く、続いて「服装や髪型などの自由度がある」の45.1%、「ワークライフバランスが保たれている」の44.6%だった。

「厳しい」企業への転職者が減少していく

「キャリアアップのために転職は必要か」という質問に対しては、81.7%が「必要だと思う派」と答え、同じ回答者に転職する際に求める企業風土を尋ねたところ、86.7%が「ゆるさを求める」と回答した。

この「ゆるさを求める」と回答した人を年代別で見てみると、40歳代が89.6%で最多となり、20歳代の89.0%、30歳代の87.2%、50歳代の77.8%と続いた。

さらに、なぜ転職先にゆるさを求めるのかを聞いたところ、「プレッシャーやストレスが軽減される」が65.1%で最も多く、次いで「ワークライフバランスが確保できる」が61.9%、「転職時に必ずしも給料が上がるわけではない」が41.5%となった。

このほか、自由解答欄には、「転職で年収アップが保証されるわけではない。ゆるく働いて副業をするのも年収を上げる手だと思う」や「以前転職で年収が下がったが、ゆるい職場の方がやりたいことに挑戦しやすかったため結果よかった」などの意見があったという。

同調査は、約8割がキャリアアップのために「転職は必要」と回答したことや、約9割が転職先の企業風土に「ゆるさ」を求めていること、ゆるさを求めているのは40歳代が最多だったことなどから、「社会人経験や転職経験を『厳しい環境』で積んだ場合、転職時の企業風土にゆるさを求める傾向があると考えられる」と分析。

ストレスフリーな環境で仕事をしながら、プライベートの時間も確保することを重視している社会人が多いことを踏まえ、「今後、社会人が定義する『厳しさ』の要素を持つ企業への転職者が減少していく可能性も考えられる」と結論づけた。