南太平洋の島国ツバルの外務大臣が、膝まで海に浸かりながらスピーチし、気候変動の緊急性を訴えた。
このスピーチは、イギリス・グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)のために、首都フナフティのフォンガファレ島で撮影された。
海抜が低いツバルは、地球温暖化の影響を最も大きく受けている国の一つで、海面上昇による水没の危機にさらされている。
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この状況を伝えるために、スーツとネクタイ姿のサイモン・コフェ外相は、ズボンの裾を膝丈までまくり上げた状態で海の中の演台に立ち、各国のリーダーたちに語りかけた。
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コフェ外相はスピーチの中で、「私たちは気候変動と海面上昇の現実の中で生きています」と述べ、気候変動がツバルにとって日々の暮らしの中にある脅威であることを強調。
「常に海面が上昇する中で、ただスピーチを待ってはいられません。クライメートモビリティ(気候変動による人口移動)は最も重要な課題です。明日を守るために、私たちは今日、勇気ある代替策を取らなければならない」と訴えた。
世界銀行によると、西太平洋では海面上昇が世界平均の2〜3倍早く進んでおり、21世紀末までに0.5〜1.1メートル上昇すると見られている。
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また、ツバル政府も、同国が北半球の国に比べて3倍気候変動の影響を受けやすく、21世紀末までにツバルは沈む可能性もあると警告している。すでにニュージーランドに移住した人たちもいるという。
スピーチの映像は、11月9日に開催されるCOP26のサイドイベントで流される予定だ。