![東京都内のロシア大使館の近くで行われた反戦デモ(2022年3月4日東京)](https://img.huffingtonpost.com/asset/6227010c240000106196c23b.jpeg?ops=scalefit_720_noupscale)
ロシアのウクライナ侵攻が続く中、プーチン大統領は核兵器の使用も示唆しており、世界中に緊張が走っている。
日本は世界で唯一の戦争被爆国であり、核兵器に対する気持ちは他国よりも一層敏感だ。
2月28日、広島市長と長崎市長は連名で、「地球上に、広島、長崎に続く、第三の戦争被爆地を生むことは絶対にあってはならない」とプーチン大統領に抗議文を送り、侵略行為を直ぐに中止し、平和的解決への道を探ることを求めた。
全文は以下の通り。
抗 議 文
ロシア連邦大統領 ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン 閣下
ロシアがウクライナ侵略に踏み切り核兵器の使用を示唆した、一連の行為について、被爆地市民を代表し、ここに厳重に抗議する。
この行為は、「世界中の誰にも二度と同じ体験をさせてはならない」と懸命に訴えてきた被爆者の切なる思いを踏みにじるものであり、被爆地広島、長崎は強い憤りを感じている。
今年1月にロシアを含む核保有5か国が発出した共同声明の中で、「核戦争に勝者はなく、決して核戦争をしてはならない」と世界に発信した矢先の発言であり、核兵器のない世界の実現に向け努力を続ける国際社会を大いに失望させる行為と言わざるを得ない。
地球上に、広島、長崎に続く、第三の戦争被爆地を生むことは絶対にあってはならない。
人々の尊い命と平和な暮らしを理不尽に奪う侵略行為を直ちに中止し、平和的解決への道を探ることを強く求める。
2022年2月28日
広島市長 松井 一實
長崎市長 田上 富久
![Love & Peace(愛と平和)メッセージが書かれたキャンドル。平和祈念式典前夜に行う「平和の灯」で、原爆で亡くなった方々を慰霊し、平和の尊さを伝えていく。(2016年8月8日長崎)](https://img.huffingtonpost.com/asset/6226ff061e000029171afb10.jpeg?cache=jsBJvAUUCw&ops=scalefit_720_noupscale)
一方、日本の非核三原則「持たず、つくらず、持ち込ませず」を踏みにじるような政治家の発言もあった。
安倍元首相は2月27日のテレビ番組で、防衛のため自国領土内にアメリカの核兵器を配備する「核共有」に触れ、「世界の安全がどのように守られているのかという現実の議論をタブー視してはならない」と述べ、波紋をよんだ。
また、3月3日の自民党の派閥会合では、「ウクライナが(核共有を実施している)NATOに加盟していれば、ロシアによる侵攻はおそらくなかっただろう」と指摘し、再度「核共有」の議論の必要性を強調した。
安倍氏の提議に対し、広島や長崎の被爆者などからは批判が相次いでいる。
![ロシア大使館近くで行われた反戦デモで掲げられた「No Nukes(核兵器反対)」のサイン(2022年3月4日東京)](https://img.huffingtonpost.com/asset/622700df240000236196c238.jpeg?ops=scalefit_720_noupscale)
」のサイン(2022年3月4日東京)
その間、岸田首相は核共有について再三にわたり否定している。