本田圭佑「セードルフ監督の犠牲に」現地紙が分析

電撃的な移籍を遂げた本田圭佑だが、得意とするトップ下での出場が少なく、デビューより評価を落としている。現地紙は本田の現状を「戦術の犠牲」と分析している。セードルフ監督になってから「すべてが変わった」という。

電撃的な移籍を遂げた本田圭佑だが、得意とするトップ下での出場が少なく、デビューより評価を落としている。現地紙は本田の現状を「戦術の犠牲」と分析している。セードルフ監督になってから「すべてが変わった」という。

■「豊潤で重要なアジアのマーケットを制覇するパーフェクトな手段」

13日付イタリアスポーツ紙「コリエレ・デロ・スポルト」は、ACミランMF本田圭佑の特集記事を組み、14日のボローニャ戦にトップ下で先発すると予想している。

前日付のガゼッタ・デロ・スポルト紙はボローニャ戦で予想される前線の1トップと3人の攻撃的MFの組み合わせを3つ挙げ、本田が先発するケースは1つだったが、ライバル紙は本田のトップ下出陣という報道で意見は対立している。

見出しは「もつれた本田―ミラン 困難な相互理解」

それでは記事の内容を紹介しよう。

「セードルフ監督がミランに来て戦術が変わり、この日本人選手はチームの端へ置かれたが、ボローニャ戦ではプレーすることになる。サンシーロで背番号10は入団会見をした。約1ヵ月前はビッグネームに相応しい舞台にいた。

ティフォージ(ファン)に最も好かれる、格式高い背番号だ。本田の前にスタジアムのエグゼクティブルームでお披露目したのはバロテッリ。彼の前にはロナウジーニョとベッカム。とにかく、この日本人はチームの中心選手で一番注目されていた。

メディア的には商業的な彼のインパクトも忘れてはならない。豊潤で重要なアジアのマーケットを制覇するパーフェクトな手段であり続けている。しかし、加入から40日経過した現在、すべて機能はしていないようだ。ピッチ内では本田は苦しんでいる。彼に対する注目は確実に減っている」

■「セードルフが来て、すべては変わってしまった」

日本企業「富士通」との業務提携にこぎ着けるなど、本田はミランのアジアと日本市場戦略のツールとしての役割を期待通りに果たしているが、残念ながらピッチ内ではピッチ外ほどのインパクトを残す事ができていない。

問題と題された段落に話を進めたい。

「入団会見はさておき、彼のピッチでの第一歩はポジティブなものだった。今季のミラン最悪の試合となったサッスオーロ戦でデビューした。ピッチでは個性の強い選手であることを見せていたし、すぐに溶け込んでいたようだった。

2試合目はイタリア杯スペツィア戦で、初ゴールも決めたが、現在のミランとは違うチームだった。戦術が違っていた。セードルフが来て、すべては変わってしまった。本田は急に、チームになじめない浮いた存在になっていた。

いくつかの試合では試合に入れない場面もあった。これは新しい戦術に関係している。この日本人はミランに一番好きなトップ下のポジションでカカと交互にてっきりプレーできるとて考えて、移籍してきた。彼はサイドよりも真ん中の選手だ。4-2-3-1では右のサイドへ開いている。戦術の犠牲になって、苦しんでいる」

日本代表と同じ4-2-3-1システムの現在のミランだが、トップ下でのプレーを好む本田にサイドでの適性は乏しいというのが、イタリアメディアでの共通意見だ。

■「ボローニャ戦は本田にとって相当な大一番」

最後に「生かすべきチャンス」という段落に結論は導かれる。

「ナポリ遠征のメンバーから外れた後、本田はボローニャ戦では先発するだろう。トップ下でのプレーするチャンスだ。カカはアトレティコ・マドリーへ向け1試合休むようだから。明らかに彼にとってスペシャルなチャンスだ。気に入ったポジションで実力をみせる一番いいチャンス。

しかし、もし機能しなければ、セードルフは近い未来、これまでと違う価値判断を下すことになる。ガリアーニ副会長は昨日ミラネッロで練習を視察した、チャンピオンズリーグにチームがいかに重要か、デリケートな試合であるかを周囲に示した。ミランはチャンピオンズリーグに注力しているが、ボローニャ戦は本田にとって相当な大一番になる」

ミラン移籍から1ヵ月が過ぎた。欧州チャンピオンズリーグのアトレティコ戦に向けて、温存されるカカの代わりにトップ下でプレーできるチャンスが本田に訪れるのならば、ポジティブな結果を出さなければならないだろう。セードルフ監督の「背番号10」に対する評価と信頼が揺らいでしまう前に。

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