スターバックスと、定額制音楽ストリーミングサービス「Spotify」が、歴史的なパートナーシップを発表しました。
今回の提携によってSpotifyは全米7000のスタバ店舗で音楽を提供し、さらにスタバのロイヤリティプログラム利用者とSpotifyユーザー双方に特典を与えるなど、音楽ストリーミングでスタバの音楽体験にイノベーションを起こします。
パートナーシップの第一歩として、全米15万人以上のスタバ店員は、「Spotifyプレミアムアカウント」を受け取ることができます。そして、スタバ店員はSpotifyのツールを使って、スタバ店員がキュレーションしたSpotifyプレイリストを作成し、共有ができるようになります。スタバ利用者はこれらのSpotifyプレイリストには、スターバックスのモバイルアプリからアクセスして、いつでもどこでも音楽を再生して楽しむことができます。この機能は今後カナダと英国でも展開予定。
つまり、今後スタバのバリスタはDJとなって、Spotifyのプレイリストをカスタマイズして配信するユニークな店舗音楽体験が実現します。
また、SpotifyユーザーはMy Starbucksプログラムのシステムを使ってポイントを獲得することも可能になります。スターバックスが第三者と提携してロイヤリティプログラムを実施することは、同社初になります。
SpotifyのCEO、ダニエル・エク(Daniel Ek)は、次のようにコメントしています。
音楽への深い伝統と、熱狂的な音楽ファンでもある顧客をすでに持っているスターバックスの音楽パートナーになれることを誇りに思います。Spotifyは250億時間以上の音楽視聴を世界中に提供してきました。そして私達はユニークな店内音楽体験を作り、スターバックスのお客様とSpotifyの世界6000万人以上の音楽ファンに、20年以上に渡って愛されてきたスターバックスの音楽プログラムを届けられることを楽しみにしています。
スターバックスは1994年にいち早く同社内で専門の音楽チームを立ち上げ、オリジナルCDの制作やCDのレコメンデーションを地域やジャンルごとに始めました。しかし、今年に入って、そのCD販売事業の終了を発表していました。今回のSpotifyとの提携を見ると、スターバックスもフィジカルな音楽は捨てて、いつでもどこでもアクセスできる音楽ストリーミングの柔軟性に移行する決断をくだしたようですね。Spotifyは以前にUberとも提携を結び、ライブの行き帰りなど車内で好きな音楽を聴ける取り組みを始めました。Spotifyの組むライフスタイルに寄り添ったパートナーとの提携に、デジタル音楽のもたらすメリットが最大活用できる音楽のエコシステムが生まれそうです。
【関連記事はこちら】
ソース
(2015年5月19日 デジタル音楽ブログ「ALL DIGITAL MUSIC」より転載)