10周年続いている公開講義「宿輪ゼミ」―開催200回・会員1万人:類を見ない経済・金融の"私塾"

宿輪純一ゼミでは、最近の経済・金融情勢をその理論や裏側まで丁寧に解析し、解説しています。

ハフィントンポストにも「シネマ経済学」を書いて頂いている宿輪純一氏(52歳)は、経済学博士・帝京大学経済学部経済学科の教授で、慶應義塾大学経済学部でも講義をしています。

彼は文京区の公民館シビックホールで、誰でも参加できる「経済・金融」のボランティア公開講義「宿輪ゼミ」を2006年から開催しています。その宿輪ゼミがこの4月6日(水)の第203回目の開催で10周年となります。このように開催回数は200回を超えています。FacebookなどのSNSネットでも活動しており、全体の会員は1万人を超えています。このような私塾は日本でも類を見ないのではないでしょうか。事前に参加して、お話を伺ってみました。

(1)始めたきっかけは。

その頃、東京大学大学院で教えていて、講義をとっていた学生さんがもっと私の下で勉強したいということで、大学の近くで会場を抑えてくれました。いろいろ考えて、ボランティア的な公開講義として、誰でも参加できるように致しました。私の想いは「経済・金融の教育を通じて、社会に貢献したいから」で、経済リテラシーは、他の先進国と比べ日本の社会で遅れている部分だと考え、コツコツとやってきました。先日、日本経済新聞にも紹介されました。

(2)どういった方が参加しているのですか。

現在は、社会人の方8割、学生の方2割ぐらいでしょうか。皆、やる気のある方ばかりです。社会人といっても、主婦の方も多く、最高齢の方は78歳のおばあちゃんです。若い方は高校生の方もいます。

基本的に第1・第3水曜日に開催していますが、水曜日は早帰りの会社も多いので、銀行、証券会社、保険会社、不動産会社、一般投資家、アナリスト、エコノミスト、政治家などなどプロ・アマ交え様々な方が参加しています。"親子"で参加される方も増えてきました。最近、密かに増えているのが、銀座のバーなどにお勤めの方で、お客様以上に経済・金融の知識を身に付けたいとのことでした。

NHKなどテレビや、ダイヤモンドオンラインなどのウエブでも解説を行っていますが、ゼミは実際にリアルの講義ですので、より丁寧に解説ができます。どんな方にも分かっていただけるように、易しく解説します。

(3)どのような内容を教えているのですか。

まず、最近の経済・金融情勢をその理論や裏側まで丁寧に解析し、解説します。そのあと、その時々で重要な経済・金融の特集テーマを解説します。ちなみに、先日まで私は三菱東京UFJ銀行企画部経済調査室でシニア・エコノミストをやっていました。

最近では「フィンテック」「仮想通貨」「マイナス金利」「株式・為替などの相場予想」「経済分析」「原油など資源価格」「人民元の通貨・金融制度」「金融の基礎」から「人間学」などなど様々で、即、役立ちそうなテーマを選んでいます。

たまにゲストを呼んで特別講義をして頂きます。一緒に仕事をしていた財務省・金融庁・経済産業省・外務省などの審議官や課長の方々に担当案件の講義をして頂いています。次回4月18日(月)(日程変則注意)も経済産業省の実際のCOP担当審議官に「環境と経済」の講義をして頂きます。

分かりにくいと言われている経済・金融を、"とにかく分かり易く"解説することに重点を置いています。

(4)どのような考え方がベースとなっているのでしょうか。

私は、経済も企業も個人も、同じ人がやっていることもあり、基本的に同じような考え方で良いと考えています。

経済も企業も個人もすべて、常に自己の価値を高めるべきで、つねに改革・挑戦を継続していくことが最も大事な経済政策と考えています。金融政策は、医療に例えると輸血や痛み止めみたいなもので、緊急的(短期的)な政策で、いわば応急処置です。長期的に行うと、身体の悪いところを直さずそのまま放置するので、余計に悪化し健康を害することになります。現在の量的金融緩和がそれに当たります。米国FRBが量的金融緩和の解除を「正常化」というのはまさにそうだと思います。

それもどうしたいのか目標を決め、他に頼らず、怠けず、日々努力することが最も大事だと思います。良く座右の銘を聴かれますが「今日の一針、明日の十針」です。

(5)最近はどのような書籍を出版されたのですか。

昨年は大学に移った初めての年なので頑張って、大変辛かったのですが3冊の書籍を出版いたしました。まず、日本経済新聞社から『通貨経済学入門(新版)』で、これは、通貨の仕組み(制度)はもちろん、通貨を切り口に歴史・理論を踏まえ、国際経済・金融を体系的に解説したものです。

次に、東洋経済新報社から慶應義塾大学経済学部櫻川教授と共著で『金融が支える日本経済』で、これは今後の日本経済は金融が支えるべきであるということを解説しました。

そして、昨年の12月に同じく東洋経済新報社から『決済インフラ入門』で、これはフィンテックや仮想通貨な最先端の話から、日本銀行のインフラの話まで「決済」についてはこれ1冊で分かる「決済のバイブル」といったものです。お陰様で3冊ともアマゾンの分野別1位になりました。

(6)映画評論家もやっていますよね。

私は映画評論家として、朝日新聞や日経ビジネス等で連載してきましたが、現在はこちらのハフィントンポストさんのお世話になっています。テレビで解説したり、市民大学で映画評論の講義をしたりしています。

イノベーションとして経済と映画を合体(新結合)させた「シネマ経済学」という分野を立ち上げ、映画の中にある経済、また映画を通じて経済を勉強するというものです。こちらも東洋経済新報社から『ローマの休日とユーロの謎―シネマ経済学入門』という本にまとめました。

(7)最後にひとことお願いします。

これからも変わらず、社会貢献の一環として頑張っていきたいと思っております。まずは、以下のFacebookの宿輪ゼミグループを覗いてご参加くださいませ。

そして、リアル宿輪ゼミでは、経済や金融を分かり易く解説いたしますので、一度お越しください。様々な方が多数ご参加していますので、心配なくお越しくださいませ。何かございましたら、以下までお気軽にご連絡くださいませ。

shukuwaseminar@gmail.com

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