日本代表に2012年 (FIFAワールドカップブラジル2016アジア最終予選 出場)、2013年 (EAFF東アジアカップ2013 優勝)と2年連続で選ばれ、FC東京のミッドフィルダーとして活躍する高橋秀人選手。プロとして活躍する高橋選手のTwitterには「本当に、サッカー選手が作ったの?」と疑いたくなるほど美味しそうな手料理の写真が並ぶ。料理がストレス発散にもなっているという高橋選手。どんな "からだにいいこと"を実践しているかと聞くと、食事についてのこだわりを教えてくれた。
―Twitterで手料理の写真を拝見しました。プロとしてご活躍される前から料理が得意だったのですか。
「料理が好きな母に影響を受け、元々料理を作るのは好きでしたね。」
―どのくらいのペースで料理をするのでしょう。
「1月2月はキャンプがあるのでどうしても外食が多くなります。でもいつも野菜は摂るようにしています。元々お菓子や炭酸飲料があまり好きではないんです。幼い頃に母がお菓子をあまり家に置いておかないようにしていて、その作戦が成功したのか大人になった今でもほとんど食べません。意識的に野菜を摂ろうとしていなくても、純粋に野菜が食べたくなるんですよ。自分で料理を作る時は、特に緑黄色野菜を摂る様に心がけています。パプリカ、ほうれん草、トマト、ブロッコリーなど色の濃い野菜を買ってきて、よくマリネやピクルスにしています。彩りも良くなりますしね。」
―Twitterに載っている寮のお食事もすごく美味しそうですよね。
「そうなんです。今はもう寮を出てしまっているのですが、寮の食事はとても美味しく栄養にも気が配られていました。肉や魚を使ったタンパク質になるメインのメニューが2品あって、それ以外にもほうれん草の胡麻和えやきんぴら、サラダなどの小鉢が3、4品。自分の"食"に対する考え方がまとまってきたのは、母や寮の食事を作ってくれる方やチーム専属の栄養士のおかげだと思います。母は煮物や具沢山のスープや豚汁といった体にいいものを作ってくれていたので、自分でも筑前煮やひじき煮を作っているんですよ。煮物が作れない女性とは結婚できないですね(笑)。」
―試合の前に決まって食べるものは何ありますか。
「決まった勝負飯的なものはないんですが、試合前なのでタンパク質や野菜よりは炭水化物を摂ることは気にしています。とは言っても結構気まぐれなので、その日その瞬間食べたいものを食べていますね。前回の試合の前には魚の煮付けが食べたいと思って、近くの定食屋さんでブリの煮付けを食べました。」
―食生活以外で、生活の中で気にしていることはありますか。
「朝起きたときに、すぐには起き上がらないようにしています。すぐに起きると体にも負担がかかるので、ゆっくり起き上がって、目覚めの水を飲みます。あとは、食べてすぐに寝ないこと。必ず、寝る前にはストレッチと竹踏みをして身体をほぐしています。」
―食生活における、最近のブームはありますか。
「最近は、青魚やナッツを食べるようにしています。青魚はタンパク質も摂れますし、EPAも含まれるので疲れも取れるんです。ひとりで居酒屋や寿司屋に行くので、それに関しては結構自分に投資していますね(笑)」
―栄養については、どこで情報を得ているのですか。
「大学で受けていたスポーツ栄養学という授業や、FC東京の栄養士さんの講義を受けていたり、本を読んで勉強もしています。」
バランスの摂れた食生活は、プロスポーツ選手でなくとも、真似したいもの。日本代表にも選ばれる高橋選手のプレイを支えているのは、日々の練習はもちろんのこと、自らが栄養士となり管理している"食"に秘密があるのは間違いない。
写真/石渡朋 文/佐藤麻弥
高橋秀人選手
●たかはし・ひでと
1987年群馬県生まれ。FC東京所属。ポジションはMF。日本代表にも2012年、2013年と選ばれる。試合の流れを読み的確にゲームをコントロールするインテリジェンス溢れる選手。冷静な判断力と長短の正確なパスで攻撃の起点となる。
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(「からだにいい100のこと。」より転載)