010 | 箭内道彦のジャージ研究所(1)ジャージについての思いを語る。

3年前から、自分が着るジャージを作ってもらう形でデサントの『アリーナ』ブランドとコラボレーションをスタートさせていた箭内道彦さん。箭内所長がジャージへの熱い思いを語ります。

3年前から、自分が着るジャージを作ってもらう形でデサントの『アリーナ』ブランドとコラボレーションをスタートさせていた箭内道彦さん。これまでに「腕の長さが通常の倍あるジャージ」や「フードが5重になっているジャージ」など既存の概念を覆すような試作品を作る実験(?)を重ねてきました。そして、このたび、数々の試作のなかから選び抜かれた「イチゴ」、「ピンク」、「黒」の3色のジャージの受注販売が決定。さらに、〈箭内道彦のジャージ研究所〉とやらを開設した様子。そこで、「カラダにいい100のこと」では、謎すぎるジャージ研究所の活動を密着することにしました。記念すべき第一回は、箭内所長がジャージへの熱い思いを語ります。

-今日もジャージを着ていらっしゃいますね。いつもジャージなんですか?

「家から会社までジャージで出勤して、テレビ出演や取材があれば会社で着替えて、仕事が終わるとまたジャージで家に帰ります。家のクローゼットには正真正銘ジャージしかないですね。」

-そんな人、なかなか見たことありません。困ることはないんでしょうか。

「やはり、まだ市民権を獲得していないなと感じることはありますよ。以前、ホテルに缶詰して原稿を書かなくてはいけなかったときに、ホテルのレストランで食事をしようとしたら、ジャージだからという理由で入場を断られてしまったんです。いろいろと交渉したのですが、『厨房でなら食べてもいい』と言われて面食らいました。こっちは文豪気分で行っているのに、憤慨です。」

-箭内さん、いつになくまじめですね......。ところで、どうしてそんなにジャージが好きなんですか。

「僕にとってジャージは、日々という試合に望むための戦闘服なんです。競馬のジョッキーの勝負服と同じようなものです。セットアップじゃないといけなくて、上はジャージで下はジーパンなんていうスタイルの人はだらしなく見えてしまいます。」

-なるほど......、そもそも、スポーツがお好きだったんですか?

「いえ、僕は陸サーファーならぬ、『陸スポーツマン』です。未だに逆上がりもできないくらい苦手で、学校の体育の成績もずっと『2』でした。だから、根本にはスポーツに対するコンプレックスと憧れがあって、ジャージを着ることでスポーツマンの気分を味わっているんです。」

ヤル気満々の箭内所長。他の服では味わうことのできない、ジャージを着用したときのワクワク感や躍動感をより多くの人に感じてもらうために、ジャージの研究は続きます。

(写真)これまでに箭内所長が作ってきたジャージの数々。

(次回)「箭内所長、夢のジャージ作りの仲間探しに奔走中!」

●やない・みちひこ/福島県郡山市出身。

タワーレコード「NO MUSIC,NO LIFE.」、リクルート『ゼクシィ』など数々の広告キャンペーンを手掛ける。『月刊 風とロック』発行人。「LIVE福島 」実行委員長、ロックバンド「猪苗代湖ズ」のギタリスト。

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(「からだにいい100のこと。」より転載)