草花や鉱物など、自然にあるものをモティーフにしたアクセサリー〈Pfütze〉(プフッツェ)を作る北康孝さん。細い糸のような葉脈やフリルのような花弁といった、〈Pfütze〉のアクセサリーの繊細な表情ひとつひとつは、すべて北さん自ら手作りで表現している。「集中して細かい作業をしているので、腰を痛めてしまったんです。普段、座って話しているだけでも身体が痛いという状態が続いていたので、週に2、3日鍼や整体に通ったのですが、けっきょくすぐに元の状態に戻ってしまう。根本的に解決できる方法はないかと、いろいろ研究しました」。
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そうして北さんがまず取りかかったのは、作業台の見直し。金属を切ったり、削ったり、磨いたり、細かな作業をするための台と椅子を、自分が正しい姿勢を保てる高さに合わせて作った。金属を切る台と磨く台では、ミリ単位で高さが違う。「作業によって、微妙に姿勢が変わるので、それに合わせて作りました」と北さん。無理のない姿勢で作業をするように心がけ、家では柔軟体操で筋肉をほぐす。身体がある程度ほぐれてからは、ジムやヨガに通うようになった。
「妻とふたりで作業を分担しているので、自分が体調を崩して寝込む訳にはいきません。日頃から、風邪を引かないように気をつけています」ものづくりをする人が考えた、ものづくりを続けるための、からだにいいものづくり。そうして、その作業台からまた新しいアクセサリーが生まれる。
北康孝さん
●きた・やすたか
2007年より、賀来綾子と共にアクセサリーブランド〈Pfütze〉をスタート。3月21日〜23日、銀座和光本館6階 和光ホールにて開催される合同展示会に参加予定。
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(「からだにいい100のこと。」より転載)