自社の広告制作チーム vs 広告主の制作チーム
ニューヨーク・タイムズの広告部門「T Brand Studio」とリアルタイムアクセス解析のChartbeatが2014年のニューヨーク・タイムズのブランドコンテンツに関する調査をまとめたようです。
「Paid Posts」と呼ばれる、ニューヨーク・タイムズのブランドコンテンツ。ページの訪問数やアクティブ時間、フェイスブックやツイッター、グーグルなどからの訪問などの指標をもとに分析、広告主とT Brand Studioが制作する記事について比較もされています。
T Brand Studioが制作した記事のほうが、広告主が制作する記事よりも訪問数が361%、滞在時間も526%多かったとのことで、自社の広告制作チームが優れていることを示しています。
また、T Brand Studioの制作記事は、広告主の記事よりもフェイスブックからの流入は1613%、ツイッターは504%、グーグル検索での流入は632%上回っていたとのこと。調査のなかで10人に6人くらいの割合で、スポンサードコンテンツが媒体の信頼性を傷つける、との印象をもっていることも発表されています。
ネイティブ広告費、2018年に210億ドル規模へ
ニューヨーク・タイムズの主なブランドコンテンツ一覧はこちらから確認できますが、クライアントにはトヨタやボルボ、ネットフリックスなど有名企業が並びます。コンテンツはワンカラムで写真や動画、そして読ませる文章が印象的で、ドキュメンタリータッチの没頭できる広告が多いです。
オンライン広告業界団体の「The Interactive Advertising Bureau」によればネイティブ広告は2018年までに210億ドルもの広告費を生み出すと予測され(2013年比で4倍)、しばらくは成長していく商品となりそうです。今回紹介したようなメディアがブランドコンテンツに関する調査をおこなうというのもおもしろいですね。今後も、広告を中心にメディアのビジネスモデルがどのように変わっていくのか情報を拾っていきたいです。
(2015年4月26日「メディアの輪郭」より転載)