料理男子のジャマイカ人が教えてくれた「ポテトプリン」のレシピ♪|KitchHike

ジャマイカの郷土菓子「ポテトプリン」の正体に迫りました。

こんにちは!

これから世界一周、郷土菓子を巡る旅へ出発する予定の鈴木あやです。世界中の郷土菓子を発掘しながら、お菓子のレシピだけでなく、歴史、文化、暮らしとその地域を学ぼうと思っているんです。そこで、出発前には、準備も必要!ということで、KitchHikeを利用しながら、日本に住む外国人の食卓を訪ねて「予習」をしようと思います♪

前回、「ジャマイカの郷土菓子」を予習するために、東京は豊洲に住むジャマイカ人・Royさんのお宅に訪問したことをお伝えしました。

今回は、実際にRoyさんと一緒に作るところから味わうところまでをレポートしながら、

ジャマイカの郷土菓子「Potato Pudding」の正体に迫っていきます!

■ジャマイカン テイストの秘密は、ココナッツ&ラムにあり!

Royさんが事前に用意しておいてくれたレシピのメモ。見かけによらず、とってもマメなのです(笑)

「Potato Pudding」=ポテトプリン...というと、私たちが普段カフェなどで味わえるものをイメージして、本当に郷土菓子なの?と疑問に思いますよね。でも、Royさんにそのルーツのお話しを聞いて納得! 実際は、日本人におなじみの「カスタードプリン」とはまったく違う、まさにジャマイカならではのお菓子でした。

その歴史を紐解くと、イギリスの郷土菓子「クリスマス プディング」にルーツがあるそうです。これは、いわゆる焼き菓子に近い食感のケーキ。卵・脂・砂糖・薄力粉・ナッツ・洋酒漬けドライフルーツ・スパイスなどがベースとなっていて、濃厚で芳醇な味わいのお菓子です。

そして植民地時代にこの「クリスマス プディング」がジャマイカに伝わり、ジャマイカの人々はこれに、地元の名産である「ココナッツ」と「ラム」を加えて、ジャマイカン テイストなクリスマス プディング=「Potato Pudding」を完成させたのです!

■「Potato Pudding/ポテトプリン」のレシピ

Potato Pudding/ポテトプリンの材料(ホール/8人分)

さつまいも(皮をむいて生のまま)大2本

ブラウンシュガー400g

シナモンパウダー小さじ1

ナツメグパウダー小さじ1

バニラエッセンス少々

ココナッツフレーク100g

ラムレーズン100g

ラム酒お好みで

薄力粉大さじ3

(左)レーズンは、前日にラム酒に漬けて戻しておく/(右)ジャマイカではさまざまな料理に使われるココナッツフレーク

コーヒーに続くジャマイカの主要な輸出品、ラム

Potato Pudding/ポテトプリンの作り方

1. 前日から、レーズンをラム酒に浸しておく

2. さつまいもをフレッシュのまま擦る

3. グラニュー糖とスパイスを加えて混ぜる

4. 薄力粉とココナッツフレークを加えて混ぜる

5. ラムレーズンとバニラエッセンス、お好みで

ラム酒もさらに加える

6. 180℃のオーブンで約1時間半、しっかり焼成する

左から順に、実際にRoyさんと一緒に作っているところの様子

簡単な日本語も織り交ぜながら、丁寧に教えてくれる

そして.....完成〜!!

さつまいもの甘〜い香りと、焼き上がりのきれいなキツネ色が、食欲をそそります

■では、いただきま〜す♪

さつまいもを使ったお菓子を作る場合、通常は火を入れてからペースト状にするのだけど、あえてフレッシュのまま擦った理由が、ひと口頂いただけでガッテン!さつまいも本来の甘さとホクホク感がたまらないのです。う〜ん、苦労して30分かけて擦った甲斐有り!!

そしてポイントはやっぱり、ココナッツとラム!

実はココナッツは得意じゃなかったけど、目覚めました!

ココナッツフレークの食感と香りが、さつまいもの味わいをより引き立ててくれます。元祖イギリスのクリスマスプディングにはパン粉が使われるのですが、ジャマイカではそれに代えて、現地では至るところに実っているというココナッツのエッセンスが加えられたそうです。また、ラム生産国の中でもラム造りの伝統がしっかり息づいているジャマイカ。ほどよく骨太な力強さが特徴で、今回頂いた「Potato Pudding」でそのエネルギッシュな香りと味わいを堪能できました♪

■予習を終えて...

「ラム×レーズン」、「さつまいも×シナモン」など、今では世界中で定番の、お菓子作りには欠かせない食材の組み合わせ。それがジャマイカでは、庶民の郷土菓子としてずっと昔から親しまれている味ばかりでした。実際にRoyさんも、「今回作るお菓子は、おばあちゃん、お母さん、そして僕へと受け継がれているレシピなんだ」と誇らしげに語ってくれました。

組み合わせによって独自のものを生み出すこの力は、図らずも、スペイン・イギリスに占領され、翻弄され続けてきた悲しい歴史がその背景にあるからなのかな...。そんなことを考えながら最後に、Royさんの故郷に対する想いを聞いてみました。

食事を終えた後も、じっくりとジャマイカのお話を聞かせてくれました

「ボブ・マーリーはジャマイカ人の心を『ONE LOVE』で歌い、今も世界中の人々に愛されているだろう。それが、ジャマイカの誇りだよ。」

包み込むようなやさしさと共に、凛とした強さをもったRoyさん。彼のおかげで、ジャマイカの人々をぐっと身近に感じられるようになったことはもちろん、ジャマイカを訪ねることがますます楽しみになったのでした。

Royさん、ごちそうさまでした!

鈴木あや

広尾のパティスリー、ペニンシュラホテルのフレンチレストランなどで修行を積んだ後、某レストランにてシェフパティシエに就任。「国と国、人と人とをつなぐスイーツ・ストーリーテラー」になることを目指し、「旅するパティシエ」として2016年1月から各地の郷土菓子を発掘する世界一周の旅に出発する。

●ウェブサイト

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