キャンプのススメ【後編】 デメリットはひとつもナシ キャンプを通じて学んだこと

どんな状況でも楽しめる力=生き抜く力に通じていると思うので、キャンプはその力を存分に鍛えてくれると思います。

前回の記事でも書きましたが、昨年のGWに当時5歳と2歳の息子たちを連れて、キャンプデビューしました。

夫婦揃ってこれまで経験は全くなし。

最初は何もわからないし道具も揃わない中で始めたのですが、ほかにはない素晴らしい時間を過ごせました。以来、シーズン中は月1ペースで行くように。

親子ですっかりハマってしまったわけですが、キャンプの何がそんなに良いのか、どんな楽しみ方ができるのか。実際に体験してみて感じたところを綴ってみたいと思います。

自然の中でのびのび遊べる

当たり前のことですが、これに尽きるかもしれません。都会に住んでいると、整備された所でしか遊ぶ経験しかできませんが(キャンプ場ももちろん整備されていますが)、キャンプでは川や湖、池にいる生き物に夢中になったり、林の中に探検に行ったり...... 子どもが子どもらしく遊べる場所なのです。

最初は虫やトカゲにも恐々だったわが家の子どもたちも、今では目をキラキラと輝かせて追いかけている姿を見るとたくましく思えます。

家に帰ってから見つけた虫を図鑑で調べたり、飼ったりすると生き物の不思議や命の大切さに触れることもできます。

姉妹で育った私は虫や魚を追いかけた経験がなく、セミの孵化する瞬間や、おたまじゃくしがカエルになる様子を子どもたちと一緒に初めて見た時は感動ものでしたよ!

ストレスから解放され寛容になれる

日々の生活の中では「早くしなさい」「手を洗いなさい」「走り回らない」「汚れているから着替えて」「静かにして!」など、どうしても注意することが多いです。

自分でも嫌になるぐらい、毎日言ってしまいます。これでは子どもの自己肯定感も育まれませんし、自分も自己嫌悪に陥りがち。

でも、その小言が自然の中だと激減! します。

もちろん、キャンプ場でも静かに楽しんでいるキャンパーもいらっしゃるので、そういう時は声をかけますがそれでも、広い野原を走りまわって大声を出しても迷惑はかけませんし、多少転んで泥がつこうが、すぐに着替えさせてシャワーに入れたりすることなんてありません。これも大きいです。自分も気持ちが楽ですし、子どもも本当にのびのびしています。

夫婦で、家族で団結できる

素人夫婦で始めたものですから、テントやタープの設営も調べながら、周りの見よう見まねでした。

風の向きを読み間違えてタープが飛んでいきそうになった時も、周りのベテランそうなキャンパーを見ながら「あの人はこうしているね」なんて、失敗しても夫婦で協力してなんとかできるようになりました。

便利な道具もありませんから、火おこしも息子たちに枝や葉っぱを拾って来てもらい、炭を組んで必死に扇ぎ...... 子どもたちもどんどんお手伝いしてくれます。

日常でここまで家族全員で何かに取り組む、というタイミングってなかなかありませんよね。

キャンプ場で作るご飯がおいしすぎる

バーベキューはもちろんですが、スキレットやダッチオーブンを使った料理って本当に美味しいのです。

ゆっくり時間をかけて作る煮込みやスモークなども、もう格別。毎回いろんなレシピに挑戦しています。

グループでキャンプした時は、各家庭のキャンプ飯をそれぞれ作ってシェアして...... 最高の宴です。

もちろん子どもたちにも切ったり焼いたり手伝ってもらいますので、アクティビティとしても楽しめますよ。

あと、子どもたちが不思議とお菓子やジュースを欲しがりません。それ以外に楽しいことがあるからでしょうか。いつも買って持っていきますが、あまり欲しがりませんし、お腹を目一杯すかせてご飯! という感じなので食べっぷりも良い気がします。

パパが活躍するシーンが多い

屋外で力仕事が多いこともあり、パパの活躍する出番が多く、カッコいい姿を見せられる絶好のチャンス。

パパに子ども達を任せて、私は読書をしながらコーヒーを飲んだり、テントやハンモックに揺られてお昼寝したり...... ママの自由時間も意外とあります(もちろん逆のパターンもありますが)。

それでも、それぞれが思い思いの過ごし方をしていても不思議と「自分勝手」には感じませんし、お互い寛容になるのでしょうか。キャンプに行くと夫婦ケンカになりません(笑)

キャンプ友達ができる

同じぐらいの歳の子どもがいると、子ども同士いつの間にか一緒に遊んでいます。

かけっこを始めたりサッカーしたり、一緒に探検に行ったり...... 本当に楽しそうにはしゃいでいます。

親同士も「うちの子がお邪魔してすみません」なんていいながら、一緒に話しをしたり情報交換したりするのも日常的です。なかなかご近所付き合いが少ない中で、こういった場面って貴重だなぁ、と思います。

どんな状況でも楽しむ「術」が身につく

雨が降って外で遊べなくても、遊び道具がまったくなくても。

その状況だからこそ楽しめる、何もない中から遊びを作り出す「アイデア力」って、生きて行く上で大事だなあとつくづく思います。

おもちゃやテレビやゲームに囲まれて生活していると、ゼロから考えなくても楽しめてしまいますし、それは大人でも同じです。

どんな状況でも楽しめる力=生き抜く力に通じていると思うので、キャンプはその力を存分に鍛えてくれると思います。

かけがえのない家族の時間を過ごすことができる

鳥や鹿の鳴き声で目覚め、深いブルーの湖でカヌーを漕ぎ、夕日で真っ赤に染まる富士山を眺め、満天の星と月明かりの中散歩する...... かけがえのない時間を家族と過ごすと「あぁ来てよかった」といつも思います。子どもと、こうして過ごせるのも小学生ぐらいまででしょう。

中学や高校になると部活などで忙しくなりますし、なかなか年齢的にも親とキャンプ、なんて行ってくれなくなるかもしれません。

そんな時、胸に焼き付いたこの景色を思い出すときっと、将来何か問題があっても乗り越えられると、勝手に信じています。

たかが1年前に始めたまだまだビギナーですが、キャンプに行くデメリットって何もないんじゃないかなあと思うぐらいです(あるとしたら、パパがギアに凝りだすと大変!? ということぐらい)。

特に子どもが幼少期にしか味わえない楽しみでもあると思うので、ぜひこの夏休みからでも、トライしてみてくださいね。

【ライター 飯田 りえ】

関西の女性誌編集部&MOOK編集部に勤務。とにかく自分で見て、歩いて、聞いて、食べて...... リージョナル誌編集者として7年過ごす。その後、結婚を機に上京しフリーに。雑誌、WEBを中心に幅広く執筆中。6歳3歳の男子に振り回されながらも「成長を見届けながらしっかり育児を楽しみたい!」と日々アクティブに活動中。

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