天の川銀河に発見されたフラーレンC<sub>60</sub>

拡散星間バンドは、赤化した星の方を見た時に観測される吸収線で、今では数百の拡散星間バンドが知られているが、それらを生じることが分かっている分子は1つもない。
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リック天文台の天文学者M L Hegerは1919年に、「拡散星間バンド」と呼ばれるものを初めて観測した。

拡散星間バンドは、赤化した星の方を見た時に観測される吸収線で、今では数百の拡散星間バンドが知られているが、それらを生じることがはっきりと分かっている分子はこれまで1つもない。

1994年に、B FoingとP Ehrenfreundが、ネオンマトリックス中で測定したフラーレンCの吸収バンドの波長に近い2つの拡散星間バンドを報告した。しかし、確認をより確実にするために、Cの気相スペクトルが待ち望まれていた。

今回J Maierたちは、Cの気相スペクトルの実測値を提示し、FoingとEhrenfreundが観測した拡散星間バンドが、Cから生じていることを確証している。Cはすでに赤外線スペクトルの検出によってさまざまな星雲で見つかっており、天の川銀河でのCの存在を裏付ける今回の結果によって、天文学におけるフラーレンの役割に対する現在の関心がより高まったといえる。

今回得られたCの気相スペクトル(黄色)と、以前観測された2本の拡散星間バンド(緑色)。

Credit: E. K. Campbell/Nature

Nature 523, 7560

2015年7月16日

原著論文:

doi:10.1038/nature14566

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