新世代の一元機能触媒は、精密に制御され最適化されたナノスケールの特徴によって性能が次第に向上している。今回J Zečevićたちは、二元機能水素化分解触媒の性能もまた、ナノスケールの最適化によって向上し得ることを示している。二元機能触媒は金属サイトと酸サイトを持つが、最適性能を得るにはこれらのサイトができるだけ近接している方がよいと、長年にわたって経験的に考えられていた。しかし著者たちは、金属サイトと酸サイトを近接させ過ぎると選択性が低下する可能性があり、金属サイトと酸サイトをナノメートルスケールの間隔で配置するとよいことを見いだした。この研究結果を利用すれば、天然ガス、植物油、藻類油などの代替源からディーゼルをより効果的に生産できるようになるかもしれない。
Nature528, 7581
2015年12月10日
doi:10.1038/nature16173
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