100個以上の構成要素からなる自己集合錯体

この構成要素数は、これまで自己集合分子構造体で観察された中で最大である。

自己集合を合理的に制御することは、依然として非常に困難な課題である。

個々の構成要素の数が増えるにつれ、こうした制御はますます困難になり、不可能になることもあると考えられている。

例えばこれまで、100個を超える構成要素を自己集合させた分子を設計することはできなかった。

今回、藤田大士(東京大学)たちは、構成要素数の多い自己集合を扱うのに適した設計原理を探索する中で、これまで分子レベルでは報告されたことのないトポロジーを持つ球状構造体を発見した。

次に著者たちは、この種の構造を記述する数学を用いて、96個の湾曲有機配位子が48個のパラジウムイオンに配位したさらに大きな構造体を目標に定めて形成し、その特性を評価した。

この構成要素数は、これまで自己集合分子構造体で観察された中で最大である。

この構造体は、4価のゴールドバーグ多面体のトポロジーを持ち、正方形と三角形からなる凸型多面体であって、1937年にM Goldbergによって報告されたオリジナルのゴールドバーグ多面体をひとひねりしたものである。

Nature540, 7634

2016年12月22日

原著論文:

doi:10.1038/nature20771

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