NMDARアンタゴニストのケタミンには、迅速で持続的な抗うつ作用がある。このため、ケタミンと同様の抗うつ特性があるが望ましくない副作用のない別のNMDARアンタゴニストの探索が行われている。今回T Gouldたちは、(R,S)-ケタミンの抗うつ作用には、その(2S,6S;2R,6R)-ヒドロキシノルケタミン(HNK)への代謝が必須であり、(2R,6R)-HNK鏡像異性体がマウスにおいて迅速で持続的な抗うつ作用を及ぼすことを示した。
これらの作用はNMDARに依存していないが、AMPARの活性化を必要とする。重要なことに、(2R,6R)-HNKはケタミンに伴うような副作用を示さない。これらの知見から、迅速に作用する新規の抗うつ剤を開発するための新たな選択肢が示唆される。
Nature533, 7604
2016年5月26日
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doi:10.1038/nature17998
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