液晶ネットワークは、高分子からなる架橋ポリマーが自己組織化して液晶相を形成するものである。液晶ネットワークは、熱、電場、光などの刺激に対して応答するようプログラムすることで、こうした刺激を力学的仕事や巨視的な変形に変換できる。
今回D Broerたちは、シス体からトランス体への熱緩和が高速で起こるアゾベンゼンを開発し、これを液晶ネットワークに組み込んで光活性ポリマー膜を作製した。
このポリマー膜は光を照射すると変形し、膜の一部が影になってそれ以上光が当たらなくなる。次に、急速な緩和によってフィードバックループが始まり、膜全体に連続的な振動波運動が生じる。
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著者たちは、この振動運動を活用して、自己推進による移動と自浄表面の初歩的なものを実証している。
Nature546, 7660
2017年6月29日
原著論文:
doi:10.1038/nature22987
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