J Vincentたちは今回、ESAのロゼッタ探査機に搭載されているOSIRISカメラで得られたデータを使って、67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のピット(多くの彗星核表面で見られる特徴的なくぼみ)を、今までにない空間分解能で、さまざまな角度から見ることによって調べた。その結果、この彗星上のピットは活動中であり、おそらく陥没穴崩壊と同様の過程で作られていることが分かった。
著者たちは、ピットの形成後も、昇華が引き起こすピット周辺壁の後退によってその直径が徐々に広がっていると考えている。ピットのサイズや空間分布から、現在の表面から数百メートル下までには物理的、構造的または組成的な性質に大きな不均一性があることが示唆される。
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Nature 523, 7558
2015年7月2日
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