実験海域を泳ぐザトウクジラ(2006年秋、米国メイン湾にて撮影)。
Credit: Michael T. Einhorn
今回P Ratilalたちは、大西洋北西域にある海生哺乳類の重要な秋季摂餌場で受動的および能動的な海洋音響導波路リモートセンシングを併用し、10種を超える海生哺乳類の動きや分布と、それらの餌となる魚類の動きや分布を同時にマッピングした。
ザトウクジラ、シロナガスクジラ、ナガスクジラ、ミンククジラなどの海生哺乳類種について、約10万kmの海域で、密集したニシンの大群にそれらの種が集まったときの発声が記録された。
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これらの海生哺乳類種は、重なり合う種特異的な摂餌場として海域を分け合い、その状態は2週間以上にわたって維持された。得られた海生生物の動態は、捕食者が巨大な魚群の中をどのように動くのかを明らかにし、捕食者の活動が昼と夜とでどう変化するのかを示している。
今回の結果は、海生哺乳類の行動に関する理解を深め、保全活動に役立つ情報を提供するものである。
Nature531, 7594
2016年3月17日
原著論文:
doi:10.1038/nature16960
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