先日、オシャレ好きな友人が某ブランド店でアクセサリーを買うと言うので、私も興味本位でついて行ってみた。
友人が私を連れて行ったのは、オシャレやブランドに疎い私でもわかるような超有名ジュエリーショップ。
素敵なデザインのアクセサリーがたくさんあり、私もついつい欲しくなってしまった。
この店では、女性向けの指輪やネックレス、イヤリングを数多くの取り揃えられていたが、やはりメインに売られていたのは、マリッジリングだった。
クリスマスに向けて新しいデザインが数多くディスプレイされており、男性客もちらほらといた。
私は、友人と店員のお姉さんと3人で話しながら、いろんなデザインを見せてもらった。
オシャレに疎い私にも商品の説明をとても丁寧にしてくれて、自然と「アルバイト代を貯めて、私も今度買いに来ようかな」とか「将来、大切な人とお揃いのデザインの指輪を買ってみたいな」という気持ちが出てくるほどだった。
本当に楽しい時間を過ごすことができた。
店からの帰り道、お目当てのデザインのアクセサリーを見つけることができた友人は、とても晴れ晴れとした表情をしていた。
しかしそんな友人に対して、私の気持ちはどこかモヤモヤしていた。
とても楽しいと思える時間だったけれど、どうしても気になって仕方がないことがあった。
それは、店員のお姉さんとの楽しい会話の中の一言だ。
指輪を見ていたときのこと。
試着させてもらった指輪の中で私が1番気に入った指輪が、ちょうど友人が1番欲しがっていたデザインのものだった。
友人も私も、このデザインの指輪を自分へのプレゼントとして買いたい。
「それなら、お互いに買ってプレゼントしあったら良いかもね!」
「そうだね!そうしようよ!」
冗談半分で何気なく交わされた私と友人との会話を聞いて、店員のお姉さんがハッと思い出したように話し始めた。
「そう言えば先日、女性のお客様がお2人でご来店なさって、お揃いのデザインを選んで、お互いのサイズの指輪を買われていきましたよ!」
「女性2人でお揃いを買われるなんて、とても珍しいことです!」
そうニコニコしながら話す彼女に、私は何気ない感じを装って言ってみた。
「もしかしたら、そのお2人はカップルだったのかもしれないですね!」
私の言葉に、彼女はきょとんと不思議そうな顔をして答えた。
「そうですかね?女性同士ですよ?(カップルであるということは)違うと思いますよ」
彼女に悪気は一切ない。
彼女が何か深く考えて行った発言ではない。
「女性同士ですよ?」という言葉は、私に対してのものではない。
彼女は、私が"彼氏にマリッジリングをプレゼントされたいと夢見る普通の女性客"の1人だと思っている。
そんなこと、わかっている。
わかっているはずだけれど、モヤモヤした気持ちが私の中には生まれてしまう。
2016年5月に名古屋で開催されたNLGR+でのバルーンリリースの様子
もしかしたら、
女性2人組は、「親しい友人同士」として「友情の証」や「誕生日プレゼント」などとして買ったのかもしれない。
でも、女性2人組は「恋人同士」として「本当はマリッジリングが買いたかったけれど言い出せずに、普通の女性向け指輪をマリッジリングの代わりに買った」のかもしれない。
今の私にはまだ上手くこのモヤモヤが言い表せないけれど、当分、もしくは、今後永遠に、私はあのジュエリーショップには立ち寄れないかもしれない。
【2016年10月23日に、名古屋あおぞら部を行います。詳しくはこちら→個性を尊重し合えば、マイノリティ(少数者)はポジティブな要素にできる!】