石破 茂 です。
月曜日あたりから急に解散風が吹き始め、日を追うに従ってその風速が強まりつつあるようです。
総理が何一つ発言しておられないにも拘らず、一部のマスコミ報道によって端を発し、急速にこのような雰囲気が醸成されつつあるのは、正直何とも不思議な気が致します。
党利党略、との批判を野党から受けますが、政党政治である以上ある程度それは避けがたいことです。しかし「党利」はすべからく「国益」と一致せねばなりませんし、問われるべきは政権党が何を訴えて国民に信を問うかにこそあります。
「財政再建と経済再生の二兎を追う政権」を標榜する以上、当然その道筋だけは示さなくてはなりませんし、そうであってこそはじめて国民に信を問う意義があるというものでしょう。
消費税率アップなら消費減退を最小限に留めるとともに低所得者に対する対策を、先送りなら財政再建のための歳出改革の道筋を示すのが当然であって、それを示さないのなら何のための解散なのかわからない、と言われても仕方ないでしょう。
主権者たる国民に対する畏れを失えば、その時は良くても後で必ず報いを受けるのは必定であり、仮に解散を選択するのであれば、我が政権はそれをよく自覚しているということを国民に示すことが必要ですし、総理はそれを十分にご承知のことと思います。
常に国家国民に対する最大の責任感と緊張感を持って国政にあたるべし、と幹事長在任時に言い続けてきましたが、まさしくそれが問われるのであり、自分自身もこれをよく戒めとしなければならないと思っております。
さる日曜日、鹿児島での自民党の政経パーティで講演を致しました。
講演の際は、その地における「地域再生」の事例を事前に研究しておくのですが、鹿屋市串良町柳谷集落における地域組織「やねだん」の取り組みには本当に深い感銘を受けました。ネット上でも多数紹介されていますので、どうかご覧くださいませ。
「地域を再生させるのはカネではなく人であり、人を動かすのはカネではなく感動である」と言うと何か美辞麗句みたいですが、実際にそれを実践している地域があることに大きな意義があると思います。
同じ取り組みは岡山県真庭市や庄原市でも行われており、前回ご紹介した島根県大田市の「中村ブレイス」もそうですが、キーワードはまさしく「自立」に他ならないのだと痛感させられます。
週末は地元紙である日本海新聞主催の政経懇話会での講演を米子、倉吉、鳥取で行います。
その他、赤澤亮正代議士のパーティ(米子市)、里山資本主義フォーラム(日南町)、県議会自民党議員との懇談会など、久しぶりに地元に一泊の予定で帰郷致します。
世の中暮れを控えて慌ただしくなります。来週の週末は一体どのような世の中になっていますことか。
皆様どうかご自愛くださいませ。
(2014年11月14日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)