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2014年07月18日 22時44分 JST | 更新 2014年09月17日 18時12分 JST

滋賀県知事選の反省など

 石破 茂 です。

 滋賀県知事選挙は本当に大勢の皆様のお世話様になりながら、勝利を得ることが出来ませんでした。ご支援いただいた皆様に、厚く御礼を申し上げますとともに、深くお詫び致します。

 当方候補者の知名度不足と選挙巧者の相手陣営、都議会や衆議院総務委員会における自民党議員の不規則発言、閣僚の失言、集団的自衛権行使容認の閣議決定に対する批判などなど、不利な要素は山積していたのですが、そのようなことを言い訳にしてもどうにもなりません。それらを承知の上で、それでもなお勝つのが選挙責任者たる私に与えられたミッションなのであって、僅差とは言え敗北の事実を真摯に、厳粛に受け止めて今後の糧にしていかなくてはなりません。

 議員になって二十八年、様々な選挙を手掛けてきましたが、告示前の相当のリードを選挙中に逆転されたのはこれが初めてです。

 「選挙は告示の時には事実上終わっているのであって、告示前にあらゆる努力を傾注しなくてはならない」、多分に戒めの要素があるとはいえ、我々はそう教わってきたのですが、今回はその例外の選挙でした。告示前、告示当日、選挙終盤と私も計四回滋賀県に入り、考えられる限りのことを自分なりに尽くしたつもりですが、どこかに足らざるところがあったとしか言いようがありません。今後の福島、沖縄の知事選挙、統一地方選挙を控えて態勢を早急に立て直さなくてはならないと思っております。

 集団的自衛権をめぐって様々な議論がありますが、どうにもよく理解できないのは、「閣議決定をするなら国会で議論を尽くした後にすべき」「憲法の番人である内閣法制局を蔑にすることは許せない」「内閣が憲法解釈を変えることは立憲主義に反する」などという、三権分立を理解していないとしか思えない摩訶不思議な議論です。「日本国憲法を護れ!」と強く主張される方々にこのような議論をされる方が多いのはどういうわけなのでしょうか。

 立法府たる国会の役割は提出された法律案を審議することなのであって、その法案作成の前段階たる閣議決定の内容を国会で議論するというのはあり得ないことです。具体的な法律案審議になって初めて、政府は明快な答弁が出来る立場に立てるものです。

 内閣法制局はその設置法にある通り「内閣に意見する」ことがその役割であり、あくまで政府の一部局でしかありません。強いて言うなら「内閣の弁護士」とでも言うべき存在であり、「憲法の番人」は最高裁の役割です。

 最高裁が統治行為論で憲法判断を回避することがあったとしても、それを内閣の一部局に求めることは誤りであると考えます。

 立憲主義とは内閣の憲法解釈の変更を否定するものではなく(もちろん憲法遵守義務を前提としますが)、三権分立において、主権者たる国民のもと、司法、立法、行政がそれぞれにチェック機能を有効に働かせることをも、その内容とするものだと考えております。

 さらには、日頃「国連中心主義」を主張される方々がこの問題を語るときに「国連創設時に国連憲章に何故集団的自衛権がわざわざ明文で定められたのか」について一切触れないのも誠に妙に感じられます。

 いずれにせよ、集団的自衛権についてはもっと根本論から丁寧に説明し、これが抑止力の維持向上に寄与するものであることをよくご理解いただかなくてはなりません。そのために自民党として努力を惜しむことが決してあってはならないと痛感しています。

 週末は三連休の方も多いかと思います。

 私はこの数カ月、処理できなかった内部の案件処理や資料の読み込みにこの三日間を充てたいと思っております。

 天候不順の折、お休みの方も、お休みなく働かれる方も、どうかお元気でお過ごしくださいませ。

(2014年7月18日「石破茂ブログ」より転載)