理論と知識だけじゃ「良い先生」にはなれない

いい先生とは、子どもを上手にノセられる「MC」のような存在ではないでしょうか。

こんにちはー。

縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

子どもに運動を教えるのは、大人の100倍は難しいです。

幼稚園生、小学生は説明してもなかなか理解が追いつかない。しかもスグに課題に飽きてしまう。いくら知識や理論をぶつけても、子どもに届かなければ意味がありません。

子ども集団に教えるのに大切なのは「ノセること」と言われています。では子どもをノセるとはどういう状態なのでしょうか。またノッた状態を作るにはどうしたらいいのでしょうか?

すべては雰囲気

身も蓋もない話ですが、空間の雰囲気が全てです。雰囲気が良ければ子どもは上達します。悪ければ何も変わりません。

この雰囲気を創るのは本当に難しくて、それこそステージ上で空気を操るのに似ています。よくテレビで「空気を読め」ってフレーズを耳にしますよね?

あれと殆ど変わりません。子どもたちという出演者を、MCである先生がどうやって回すかで番組(=授業)が良くも悪くもなるのです。

空気を創れば子どもはノッてくる

自分は、子ども集団の空気を創るポイントは「疲労」「興味」「競争」の大きく三つの要素があると考えています。

1.どのタイミングで疲れさせるか?

子どもだって動けば疲れます。疲れたらその場に座り込み、課題に取り組む事を止めてしまう。

反対に動きたい時は動きたい。アレコレ話をされても、動きたい衝動が勝ってしまい頭に入って行きません。

そこで疲労を逆手に取ります。疲れた子どもが求めるのは休憩。つまりジックリ座らせて話をする時間にピッタリなんです。ここで知識や理論、ルールを伝える。よほど動きたくてソワソワしてる時より、スーッと入っていきます。

2.やってみたい!の期待値

子どもは残酷です。やってみたい!と思えば、黙っててもやります。反対に興味を失えばスグに課題を放り出してしまいます。

教える側としては、順序を追って練習をさせたいんですよね。でもそれは大抵うまく行きません。興味が維持できないからです。

子どもに課題を提供するときに考えたいのが「期待値」。子どもがノッていく課題と、そうでない課題をうまーく織り交ぜていきます。

ずっと期待値が高い課題じゃダメです。あとが続きません。適度にノッてきたところで期待値の低い課題を放ってみる。すると前の課題の余力で取り組んでくれるんです。

3.競争は手軽だけど要注意

仲間と競わせるのは手軽に雰囲気を作れる方法です。徒競走やリレーなど、大抵どの場所でやっても盛り上がりますからね。

しかし手軽な反面、競争には注意が必要。競争には勝ち負けが存在し、勝つ子どもが偏ると急激に雰囲気が壊れます。また負け続けた子どもはヤル気を削がれ、次回以降の授業でもノセるのが難しくなってしまう。

一番良いのは、本人たちに気付かないように先生側が「勝ち負け」を操作すること。またジャンケンのように「偶然」に左右される競争もオススメです。

■関連記事:これはテッパン!!子どものやる気をガッツリ引き出す「縄跳びジャンケン」 - なわとび1本で何でもできるのだ

おわりに

大人は説明すれば理解できます。多少退屈でも、反復練習してくれます。

でも子どもは通用しません。彼らの基準は「やってみたい(=楽しそう)」か「やりたくない(=つまらなそう)」というシンプルなものだからです。一方で「ノセられる」のは子どもを教える強力な武器です。これは大人を教える時よりも顕著に現れます。

ノッている子ども集団に指導者はいりません。課題を提案すれば、勝手に取り組んでくれるのですから。

いい先生とは知識や理論を振りかざす人ではなく、子どもを上手にノセられる「MC」のような存在ではないでしょうか。

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