今回はこもたろの赤ちゃん時代の話でも。
こもたろは赤ちゃんの頃"これを持たせれば静かに遊んでいる"というグッズがありました。
それは急須。特に蓋が大好きで、急須の蓋を開け閉めしていれば、とにかく落ち着いていました。
この頃はまだ、こもたろが自閉症だということは、私たち親は知る由もありません。
この変わった興味を個性だと捉え、面白がり、そして愛くるしいと感じていました。
特に印象に残っていること。泣いたきっかけは忘れてしまいましたが、自宅で大泣きをしたことがありました。
それはあやしても何をしても効果がないほどの大泣きで、どうしようと途方に暮れ、ダメ元で急須を渡してみたのです。
すると、こもたろはスッと真顔になり、急須の蓋を開け閉めしだしました。
この切り替わりように私はビックリしてしまいました。
と、同時になんだかおかしくて、試しに急須を取り上げてみました。
するとまた大泣きをするのです。そして、再度、急須を渡すとまたスッと真顔になり、蓋の開け閉めをしだします。
この反応が面白くて、可愛くて。
赤ちゃんって、こんな反応もするのかと、その時の私はそれを何度も試してみたのを覚えています。
それを夫にも報告。
次に泣いたときに、また試してみようという話になりました。
赤ちゃんなので、泣く瞬間なんていつでもあります。
その時はすぐにやってきました。試してみると、やはり泣き止みました。
私「やっぱり急須が泣き止みグッズなんだ!」
夫「なんで急須なんだよー」
二人でケラケラ笑いました。
このことがあり、外出をするときはいつもバッグの中に急須を忍ばせていました。割れると危ないので、落としても安全な鉄製のもの。
蓋の適度な重さも、こもたろにはしっくりきたみたいで、鉄製の急須が一番のお気に入りでした。
予防接種の待ち時間に、急須を取り出し、それを与える私。
無言で、そして嬉しいとも楽しいとも感情を出さず、ただただ無表情、かつひたすらに蓋の開け閉めを繰り返している赤ん坊。
そして二人の間で流れる、穏やかな空気。
今思い出しても、不思議な光景だったと思います。
この繰り返す行動が、後にこもたろは自閉症だと気付かせてくれたのですが。
このときはまだ、わが子に障害があるなんて思ってもみなかった頃です。
~続く。
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