ある年の夏、実家に帰省中の夜。すっかり婆ちゃんに懐いている子どもたちは2階の婆ちゃんの部屋で就寝。
夜遅くまで1階のリビングで仕事をしていた私。そこへ婆ちゃんが下りてきて、
ちょうどいいので休憩しようと、お茶タイムになりました。すっかりリラックスモードの婆ちゃんと私。
日頃なかなか会えないのもあって、話も弾みます。いろいろと話をするうちに、こもたろの話になりました。
婆ちゃん「それにしても、こもたろくん、成長したよねー」
私「そう?」
婆ちゃん「うん、会う度に出来ることが増えていて、ビックリするよ」
こういう話をされると、なんだか照れくさい。
婆ちゃん「きっと、これまでの環境がよかったんだと思うよ。そうするために、いろいろと大変だったろうなーって思う」
私「あー...うーん、どうだろ。必死すぎて大変だと思う余裕もなかったかもしれない」
はははと笑う私。
私「2~3歳の頃は、何をやっても成長が見られなくて、途方に暮れたことはあったかな」
婆ちゃん「今は言葉もだいぶわかってるし、会話もちゃんとできてるし」
私「それね、私もここまで話ができるようになるとは思ってなかった。こもたろ、気難しい部分があるじゃない? だから、爺ちゃん婆ちゃんにも嫌な気持ちにさせてたかなーって」
婆ちゃん「爺ちゃんがね...」
私「うん?」
婆ちゃん「こもたろくんが可愛くて仕方ないのよ。〇〇に連れて行ったら、こもたろ喜ぶかな? こんな体験をさせたら楽しいかな?っていつも言ってるよ」
私「そうなのー?」
婆ちゃん「そうそう」
私「それはありがたい」
孫が自閉症ということ、最初はどう思ってるかと不安でした。
実家の隣に両親と同年代のご夫婦が住んでいて、毎年、お盆の頃には、お孫さんがやってきます。
そのお孫さんとこもたろを比べて虚しくなっていないか...とか、こもたろの、年齢に比べて幼い言動に失望していないか...とか。
でも、爺ちゃん婆ちゃんにとっては、他の爺ちゃん婆ちゃんとなんら変わらない、目に入れても痛くない孫でした。
むしろ、こもたろの言うことを楽しんでいるところもあって、私としてはそこがすごく救われている部分です。
こんな爺ちゃん婆ちゃんだからこそ、こもたろも安心して帰省できるのだと思います。
爺ちゃん婆ちゃんが大好きなのだと思います。
~続く。
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