水中サウンドシステムや水上ライトショーで賑わうプールパーティーもいいけれど、もう少し風情を求めるなら、ちょっとした歴史や逸話のあるプールへ。ここでご紹介するホテルのプールは、静かな日でもわくわく気分にしてくれる、ちょっとした歴史裏話があるものばかりです。
1. THE HOLLYWOOD ROOSEVELT
～ 米・カリフォルニア州｜ロサンゼルス ～
かつてマリリン・モンローが初のグラビア撮影に臨んだ飛び板こそ、今はもうないけれど、「ハリウッド・ルーズベルト」のプールサイドにはまだまだ古き良きハリウッドのグラマラスな雰囲気が残っています。水辺の「トロピカーナバー」は地元でも定番の遊び場。プラス、プールの底に描かれたデイビッド・ホックニーのアートは、この先も時代を感じさせないはず。
～ イタリア｜プーリア州 ～
アンティークの列柱に見守られた「マッセリア・トーレ・マイッツァ」のプールは、まるでラグジュアリーホテルを気取った古のローマ遺跡のよう。プーリア州の伝統的なファームハウスにまさかこんなディテールがあるとは思いもしなかったけれど、それを言ったら、高級シーツやスパ風バスルームがあることだって嬉しい驚きの要素ではありませんか。
3. HOTEL 1898
～ スペイン｜バルセロナ ～
今では想像もつかないかもしれませんが、「ホテル1898」の温水プールは、かつてここがフィリピン・タバコ・カンパニーの本社だった頃、石炭置場、そして金庫として使用されていたスペースなのだそう。現在はすっかりきれいな半地下スパとして、ホテル屋上にある明るい屋外プールと対照的に、落ち着きと清涼感溢れる空間となっています。
4. THE BERKELEY
～ イギリス｜ロンドン ～
1897年の創業以来、地元のホテルシーンの中心的存在となってきた「ザ・バークレー」は、1972年にナイツブリッジ地区の現住所に移転。その過程で、屋上のプールという、ロンドンのホテルにはごく珍しいアメニティを取り入れることに成功しました。ホテル自体の歴史には敵わないけれど、いつの時代も美しいハイドパークの景色を備えたこのプールは、どこか懐かしいビンテージ風の魅力を感じさせます。
～ フランス｜パリ ～
船首をモチーフにデザインされ、壁には海を渡る図をイメージした騙し絵まで描かれているのは、パリの歴史あるホテル「ル・ブリストル」のプール。チーク材を用いたこのプール、中に入ればそれこそ1925年頃のフレンチリビエラをクルージングしているかのような気分になるかも・・・。まあ、モンマルトルにほど近いこのロケーションを考慮すれば、海よりセーヌ川を下るイメージの方が鮮明に思い浮かぶかもしれませんが。
～ 米・ルイジアナ州｜ニューオリンズ ～
エレガントなこの宿のセンターピースとなっている中庭のプールは、聞くところによると、フレンチクオーターで一番古くからあるプールなのだとか。でも「オーデュボン・コテージ」にまつわるエピソードはそれだけではありません。ホテル名にもなっている画家ジョン・ジェームス・オーデュボン氏が、博物画集『アメリカの鳥類』を製作中、ここに住んでいたことや、敷地内に、幽霊が出ると噂の建物が２つあることは、地元では有名な逸話です。
～ インド｜ヒマラヤ山脈部 ～
その昔、この大邸宅に住んでいた英国指令官キッチナー卿も、ここからこうして、雪を冠ったヒマラヤを眺めたのではないでしょうか。敷地内でも特に見晴らしの良い場所に造られたこの温水プールは、彼の時代にはなかったわけですが、モザイクタイル仕上げのフロアや天井のシャンデリアなど、このクラシカルなラグジュアリーデザインには彼もきっと納得してくれたことでしょう。
From: Tablet Magazine