【インド】一番エキゾチックな地、ラジャスタン州へ

首都ニューデリーから車(といってもハイヤー)を走らせ、約4時間。向かった先は、遥か昔から貴石や貴金属、テキスタイル(織物)や革製品の生産・輸出で知られ、今も買い物メッカとして国内外からたくさんの人が訪れるジャイプール。

首都ニューデリーから車(といってもハイヤー)を走らせ、約4時間。向かった先は、遥か昔から貴石や貴金属、テキスタイル(織物)や革製品の生産・輸出で知られ、今も買い物メッカとして国内外からたくさんの人が訪れるジャイプール。ここを訪れる前後で、世界文化遺産タージマハルに立ち寄れば、ゴールデントライアングルと呼ばれる、いわゆるインド旅行の入門ルートを回ったことになるわけです。でも旅慣れた私たちにとって、ベーシックな旅ではやっぱり物足りないもの。デリーに戻る前に1、2日でも余裕があるなら、ちょっと寄り道。ジャイプールから西へと広がる「王の地」こと、ラジャスタン州を散策して、一層ドラマチックに旅をアップグレードさせましょう。

Pretty in Pink - Jaipur

ジャイプールは、国内最大面積を誇るこの州の州都であり、サーモンピンクの建物が並ぶ旧市街を中心に、世界遺産のジャンタル・マンタル天文台(The Jantar Mantar)や、アンベール城(Amber Fort)など、観光スポットも多い場所。でも、本命はやはりショッピング。定番のバザールはもちろん、日本でも知名度を上げている「ジェム・パレス(Gem Palace)」、インド人とフランス人ペアが仕掛けるインテリアショップ「ホット・ピンク(Hot Pink)」など、新市街の人気店も忘れずに覗きたいところ。活気に包まれた一日を過ごした後は、喧噪溢れる中心地を少し離れて「ザ・ファーム(The Farm)」にステイ。キュートな若夫婦が営むこの宿は、個性的な客室はもとより、アットホームなサービスと、つろげる公共空間が魅力。外から戻ると、どこからともなくスタッフが姿を現し、お茶とクッキーを用意してくれたり、疲れも癒すさりげないおもてなしに、ほっと温かい気分になれるはず。プール脇のオープンキッチンでは、その日に仕入れた新鮮食材を使ってシェフが日替わりメニューの食事を準備。ダイニングエリアでゆったりカジュアルに食事を楽しみながら、オーナー夫妻やほかの滞在客とその日の収穫や旅話に花を咲かせているうち、みんな揃って夜更かし・・・なんてことも、ここでは珍しくありません。

Royal Blue - Jodhpur

ブルーシティというニックネームを持つジョードプルは、ここから先に広がるタール砂漠への玄関口。古い戦の傷跡を残しながらも威風堂々とそびえるメヘラーンガル砦、そしてその古城に見守られ、いくつもの細い道が曲がりくねる青い旧市街は、エキゾチックなおとぎ話の風景を彷彿とさせます。ジャイプールよりも閑静でこじんまりとしていながら、冒険とロマンスに満ちた長い歴史の趣を色濃く残したジョードプルは、国内外の映画('07年『ダージリン急行』、'12年『ダークナイト・ライジング』他)の撮影や、盛大な祝賀イベント(去年はナオミ・キャンベル主催の誕生日パーティが大きな話題に)も頻繁に行われているよう。壮大でマジカルなこの町のパワーを吸収しつつ、セレブ気分に浸るなら、メヘラーンガル砦のふもとに佇む「ラース(Raas)」へ。かつてラージプット(※)が住んだ18世紀のハヴェリを中心に、7つの建物で構成されたラースは、ラジャスタンの歴史的建築とモダンデザインをこれ以上なく見事なバランスで融合したホテル。地元出身のホテリエが手がけただけあって、これだけ洗練された高級デザインホテルでありながら、慎ましい旧市街の文化・町並に上手に溶け込んでいるのも魅力です。効率的に町を回るなら、ホテルで専属ガイドのアレンジを。砦はもとより、サダルバザール(Sardar Market)など、地元の見所を丁寧に説明しつつも気軽なアプローチで案内してくれます。

White Serenity - Udaipur

この地を繁栄させたマハラジャ達やラージプット族の優雅な生活に魅せられたなら、彼らが避暑地として訪れたという湖の町、ウダイプルに向かいましょう。白~生成りの建物と緑に縁取られた湖が、朝の爽やかな光や夜の穏やかな明かりをきらきらと反射するホワイトシティは、高貴な威厳を感じさせるブルーシティに比べ、心なしか清々しい印象。複数ある湖の中でも、町のシンボルとなっているのは14世紀に造られたピチョーラ湖(Lake Pichola)。この湖に浮かぶ島にある「タージ・レイクパレス(Taj Lake Palace)」は、もともと18世紀に王族の別荘として建造されたもので、現在はインドを代表する高級パレスホテルのひとつとなっています。もちろんアクセスにはボートを利用。対岸にあるシティパレス(City Palace)との間を往復する専用ボートから眺める町は、また特にロマンチック。国内ではハネムーン旅行に人気というのも納得できるはず。ビシュヌ神を祀るジャグディーシュ寺院(Jagdish Mandir)や、小さな博物館「バゴーレ・キ・ハヴェリ(Bagore Ki Haveli)」で毎晩行われているラジャスタン州の民族舞踊パフォーマンスなど、町の中にも見所はたくさんあるけれど、レイクパレスでは敷地内でも独自の民族文化ショーや、インド式占星術師を用意しているから、おっとりとしたこの町の雰囲気に任せてのんびりと過ごすのも悪くないのでは。賑やかな喧噪や人混みなら、帰宅前にも必ずまたデリーやその他の都市で出会えますから。

※王侯・戦士の位に属する貴族

'A blue sunset'

Look: India

Art of Living Ashram, Bangalore

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