新国立競技場の未来?スペインでの建築問題どんどん悪化中

スペインのバレンシアに建設されたサンティアゴ・カラトラバによる建築が崩壊の危機鳴り物入りで建設された現代建築が様々な理由で問題を起こしています。新国立競技場の建設を考えるうえで様々に示唆に富んでいます。

下記のような記事を見つけました。

Feargusオサリバン 2014年1月13日

スペインのバレンシアに建設された

サンティアゴ・カラトラバによる建築が崩壊の危機

鳴り物入りで建設された現代建築が様々な理由で問題を起こしています。

新国立競技場の建設を考えるうえで様々に示唆に富んでいます。

適当に翻訳してみました。(間違いあればどうぞご指摘を)

スペインの最大級の建築的失敗どんどん悪化中。

その華々しさと同時にその大きさに見合うだけの批判を受けている、スペインのバレンシアにある芸術科学都市は、まったくのお荷物施設であることが証明されてしまった。

巨大な博物館と芸術の複合施設は、10億ユーロという当初予算の4倍以上をかけて2005年に完成したものだ。

にもかかわらず、、予想された来訪者数をまったく達成できていない。

バレンシア出身の建築家サンティアゴ·カラトラバによって設計されたこの建築は、複雑な骨組の構造で出来上がっており、まるで巨大な恐竜の墓地を思わせる。

それは正直、墓地というその汚名にふさわしいものになりつつある。

これはスペインブームに沸いた時代に計画され、そして末期を迎えつつある壮大な都市プロジェクトの一つだ。 2008年の金融危機によるバレンシアの経済崩壊もあってこのプロジェクトの状況はさらに悪化している。

この芸術科学都市のような巨大なプロジェクトの低迷も大きな経済的影響を及ぼしている。

この地域の財政状況が苦しいにもかかわらず、2年前に政府から45億ユーロの救済資金が芸術科学都市に投入された。この施設運営がここまで悪化するはずはないと思われていたが、事実はそうなってしまった。

それは完成後7年ですでに施設の一部が崩壊し始めていることだ。

大問題なのが、この施設の目玉であるパラオ·ド·レ·アーツソフィア王妃芸術センター 、そのデザインシルエットから鳥の頭蓋骨ともスターウォーズの兵士(ストームトルーパー)のヘルメットとも揶揄されるオペラハウスだ。

このヘルメットに似ている部分が実際に問題を起こしている。

この丸い殻のような部分、シェルは金属でつくられており、バレンシア地方の夜間と日中の激しい寒暖の変化で熱膨張を繰り返し部材変形を起こす。

このような歪みが、この金属部分を仕上げとして建物の特徴である特別製の数千の小さなモザイク状のタイルパーツをダメにしていると考えられている。

これらは、綺麗で均質なツルツルした一枚の布地のように表現されているが、その部分に徐々にヒビや歪みを及ぼし、剥がれ始めている。

先週、専門家の調査委員会は、最悪の事態を確認した。

それは、これらのタイルはすべて撤去する必要があるということだ。

このコストだけでも約300万ユーロはかかるだろうし、それは今すぐにでも実行する必要がある。なぜなら、次のオペラシーズンのスタートは2月下旬であり、タイルの解体撤去作業はすぐにおこなわなければ間に合わない。

すでにその中のいくつかは、強風ではがれてきており、剥がれたタイルが降り注いでくるとなると来訪する観客の命に係わる問題となる。

バレンシア政府は現在、デザインの欠陥を理由に設計者のカラトラバ氏をを訴えている。 一方、カラトラバ氏はそれが設計の問題ではなく、欠陥の原因となっているのは施工のひどさであると弁明している。

しかしながら、今までは違い、この訴えは認められる可能性があり得る。 彼はスペインのワイナリーでは雨漏りする屋根の件でも訴えられており、ヴェネツィアブリッジでは車いすでは通行不可能な点と、危険なほど滑りやすい表面をなしている点、不正確予算のために激しく非難されている。

いまだにバレンシアの問題が建築家にあるとはみなされていない。政府はそもそも問題のある多大な支出をおこなっており、不採算プロジェクトの関係者の多くが多額の賄賂を受けている。そこには今までに一機も離発着していないカステリヨン近くの不必要な空港も含まれている。

派手に何百万を費やすという馬鹿なことをしでかした建築家の事件が認識された今、バレンシア政府当局は、元々ここに何を望んでいたのか、もっと慎重になるべきだったと議論する必要があるだろう。

一方で、この複合施設の最新のトラブルは、巨大プロジェクトによって訪問客を呼び寄せたいすべての都市がこのところ学びつつある教訓を明確にしている。その教訓とは、巨大建築物を建てたからといって訪問客が来るとは限らないということだ。

Feargusオサリバン 2014年1月13日

この施設の全体像の写真がありました。

周囲の街から孤立させてあるので、外苑と比較して周辺敷地は広いですね。

施工中の写真も見つけたのですが、マジ鉄板でした。

ひとつながりの帯状になっているように見えます。

この鉄板の高さ20メートル以上あるでしょうから、日中と夜間で外気温で30度くらいの温度変化があるとするなら、鉄の温度50度以上になってしまうかもしれないので、熱膨張は下手すると2センチ近くいってしまうのではないでしょうか、曲面なのでベコンベコン膨らんだり凹んだりすると思いますが、、、

ここに白いモザイクタイルを張ってしまったらしい。

普通の目地充填だとすぐにヒビが入ると思われます。

その結果、このタイルがパラパラ剥がれ落ちてきているようです。

高さ30メートルも上から剥がれたタイルが落ちてくるとなると、ガラスの破片が落ちてくるようなものですから非常に危険です。

シワシワのところはすべてタイルが浮き上がってすでに剥がれてると思われます。

とりあえず、今年2月1日から予定していたプッチーニのオペラは中止し、

62万4000ユーロの損害が出ているとの追加報道がありました。

参照サイト

この設計者であるサンティアゴ・カラトラバ氏も世界的に著名な建築家であり、有機的な形態と斬新な構造システムを売りとするデザインで、新国立競技場の設計者であるザハ・ハディドより10年ほど早く登場した方です。

どのような人かはまた追って説明します。

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