新国立競技場計画白紙見直し!といわれているが本当にそうなのか?
その内容をどんどん精査していきたいと思います。
中身はここに置いてある
JSCからの新国立競技場整備事業
このうち、重要なのは書類13です。
VIP面積について
で加筆する予定ですが、その前に建物形状についてこんな指示がありました。
高さ70メートル
「以下」を付けてはいるが、あいかわらず70メートルを堅持。
あれだけ、皆に怒られているのに、こいつらはまだわかっていない!
東京都の都市計画変更の理由づくりがあった為と思いますが、既に、有識者達の真の狙いであった外苑再開発計画の布石たる高さ制限を変更することは出来ているわけだから、こんな記述はなくし元の旧国立競技場並みの35メートルとか、せめて元の照明塔並の高さくらいまでの50メートルとかにするべきところを「70メートルのまま」。
おそらくですね、ここを低く記述してしまうと、都市計画変更の理由づくりまで遡って責められることを憂慮した役人的発想と思います。
これもですね、おそらくJSCと有識者が2012年の頃から視察を繰り返していたであろう、イギリスのウェンブリースタジアムと比較してみましょう。
ウェンブリーで象徴的に造られ屋根の端部の安定と開閉時の挙動を抑えるために設置された自転車タイヤのスポーク機構を持つアーチは130メートルもありますが、スタジアムは50メートル以下に納まっている。
観客席部分だけなら35メートルにも納まっている。
設計応募者も今度は70mにはしないと思いますが、であるならJSCの募集要項における要求水準における建物形状の高さについては、以下のように記述するべきでしょう。
「建物の最高高さは、都市計画変更を経て外苑西通りの地盤面(TP+24m)から70mまで可能になっているが、できるだけ高さを抑えるように配慮した計画とする。」
こう書いとくべきじゃないのか?
そうじゃないと、建設屋さんっていうのは言われたとおりにやるし、建築家っていうのはルールの裏かいたり、網の目をくぐろうとする傾向にあるから、結局のところ、高さ69.9mとかの案を出してくるぞ。
それとも、JSCは結局70mギリの建物を望んでいるのか?というお叱りを受けることにはなりませんかね。
また後ほど加筆します。
( 2015年9月5日「建築エコノミスト 森山のブログ」より転載)