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2016年04月22日 16時12分 JST | 更新 2016年04月22日 16時17分 JST

雨にも風にも負けず 東日本大震災から5年、復興記念桜が今年も開花

まもなく植樹から5年を迎える「復興記念桜」が、先日、宮城県東松島に春の訪れを告げました。

満開を迎えた東松島市の復興記念桜(2016年4月17日)

まもなく植樹から5年を迎える「復興記念桜」が、先日、宮城県東松島に春の訪れを告げました。雨にも負けず、風にも負けず、強く咲き誇る満開の桜のようすをお伝えします。

百円玉に書かれている植物が何かわかりますか?

そう、です。

この「百円桜」で東北に花を咲かせるためのプロジェクトが、2012年に行われた「春を報(しら)せる百円桜プロジェクト」です。皆様からお預かりした募金は、すべて桜の植樹に役立てさせていただきました。2012年5月4日、第1回の植樹を宮城県東松島市矢本上沢目で行い、地域の皆さまにご協力いただき、シダレザクラ15本とソメイヨシノ15本を植樹しました。

5年目を目の前にしたこの桜が、今年も満開になったという便りが届き、私たちは早速現地に向かいました。現地に着いてみると、遠くからでもはっきりわかるくらい、満開のソメイヨシノの木が目に飛び込んできました。

1年間のソメイヨシノ生長記録(左:2015年4月15日、右:2016年4月17日)

雨にも負けず・風にも負けず ソメイヨシノはさらにパワーアップ!

去年よりも圧倒的に花数が増えたソメイヨシノ。まだ1.5m程度の高さで背が低いですが、小さくても満開の木は、とても見応えがありました。花は比較的大振りで、生長が順調であることがはっきりと伺えます。この日は暴風警報が発表されるくらい風が強く、時折雨の降る日でしたが、桜は風にあおられても花吹雪になることはなく、しっかりと咲き誇っていました。去年は花と同時に葉がではじめてしまっていたのですが、今年はそのような状況も落ち着いてきたようでした。

シダレザクラも、背丈はさらに高く生長していました。まだ細いですが、枝もだいぶ下の方まで伸びてきています。ただ、こちらも昨年より花数が増えていましたが、ソメイヨシノと比べると、まだ枝も少なく、葉の出ている部分が混在している状態でした。

東松島の復興記念桜のようす(上:ソメイヨシノ、下:シダレザクラ)(2016年4月17日)

【インタビュー】4年目の桜の世話を終えて

桜は、東松島市鹿妻二区のみなさんにお世話をしていただいています。区長の齋藤さんにこの1年間の桜のようすについて訊ねてみました。

―今年も無事に咲きましたね。桜の開花をみたお気持ちはいかがですか?

齋藤区長:「仙台の桜の開花がとても早かったにも関わらず、この桜たちはずっとつぼみでした。しばらく開花まで時間がかかりそうだと思っていた矢先、一気に満開になったので、嬉しさ反面、少し驚いています。不思議なことに、毎年、南の仙台と北の石巻よりも、間にあるここ東松島のほうが開花が遅いのです。東松島の桜の咲く時期を見分けるのは本当に難しいです。」

そうですね。例年、東松島の春は、周辺の地域よりも少し遅れてやってくる傾向があるようです。だからこそ、周辺の桜が終わった後に、まだ桜が見られる地域としてこの地をもっと多くの方に知っていただき、訪れていただきたいと感じています。そして私たちは、いつかこの復興記念桜の開花予想をすることが夢です。

―お手入れの方法について、悩まれていることはありますか?

齋藤区長:「これまで通り、年に数回草取りをおこなってきました。これまではあまり手をかけずとも育ってくれていましたが、シダレザクラの様子が少し気がかりです。これまでとは手入れの方法を変える必要があるのかな、とも感じています。」

確かに、ソメイヨシノと比べてやや遅れをとっているシダレザクラのようすが少し心配です。いったいどのような手入れをするのが良いのか・・・何しろ初めての取り組みのため、移行錯誤しながら進むしかありません。

いろいろと調べてみた結果、新たなお手入れの方法としては、開花前と開花後の年に2回、肥料を上げることを検討しています。

齋藤様、地区のみなさん、本当にありがとうございます!また一年よろしくお願いいたします。

満開のソメイヨシノの前で(2016年4月17日)

めざせ!東松島の二大桜名所に

復興記念桜が植えられている場所は海岸から2.5kmほど離れていますが、5年前、この目の前の道路まで津浪が到達しました。そんな桜の目の前の景色は、今では穏やかな生活が戻りはじめ、畑では草木や野菜たちが芽吹き始めています。そんな前へ前へと進む地区の皆さまの姿こそが、復興記念桜にとってきっと一番の栄養でしょう。一年一年、訪れるたびに、地区のみなさんの笑顔が増えてきていることを、とても嬉しく思います。

その後私たちは、復興記念桜が植えられている崖の上にある『滝山公園』を訪れました。ここは"千本桜"と称される桜の名所で、見下ろした桜の先には太平洋や、時にブルーインパルスの練習を見ることができます。またこの場所には、東日本大震災の慰霊碑も建っています。あれから5年、忘れてはいけない記憶と未来への希望とともに、今、この地は、復興のシンボルとなっています。

この桜たちは昭和42年からの49年間、ずっとこの地で東松島の人たちとともに生活をし、毎年春を告げてきました。復興記念桜も何十年後には、この滝山公園の桜のようにたくさんの人々が集い、笑う場所になってほしいと願っています。『めざせ!東松島の二大桜名所』を目指して、また1年、桜が健康的に過ごせるよう努めていきたいと思います。

東日本大震災から5年がたち、復興記念桜もまもなく5年を迎えます。これからも地区のみなさまのお力と、応援してくださる方のエールとともに頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

"千本桜"と称される桜の名所・東松島市滝山公園の桜(2016年4月17日)

(2016年4月22日 12時55分)

【関連リンク】

2016-04-22-1461308127-9314956-small.jpg瀬田 繭美

気象予報士 熱中症予防指導員

今日も空を見上げながら、

楽しく天気をお伝えすべく、日々精進しています!