流れ星
春の空に流れ星が飛ぶ!?
「こと座流星群」が活発な動きをみせる観測展望がでています。
星がよく見えるのは晴れているのが絶対条件。ところがそれだけではないのです。
今夜は満月! いつもならまん丸のお月さまを見るのは嬉しいのですが、
明るい月の光は空の星を見えづらくしてしまうのです。
また湿度が高いとやはり空は水蒸気でぼやけてしまいます。
夜空ににじむ輝く月を思い出すとわかりますね。
22日に夜更かしをするか、23日に早起きをするか・・・ 願いを胸に流星群に注目しましょう!
そもそも流星って何? あんなに速く飛んでいってしまうのは何故?
「流れ星」とも「流星」ともいいますが、夜空に明るい閃光を走らせるものは、
夜空に光っている星が流れ落ちるものではないというのは周知のこと。
流れ星の正体は、太陽系の宇宙空間に漂っている小さな塵。
大きさは直径1ミリから数センチほど、重さは1円玉より軽いものがほとんどで、
明るい流星は10g程度だそうです。
そんな小さくて軽い粒がなぜあんなに輝くのか? それは流星の速度に秘密があります。
速いものでその速度は1秒間に40km程度といいます。
フルマラソンの距離を1秒で走るというと、その猛烈な速度を実感できますね。
また地球は秒速30㎞で宇宙空間を公転していますので、流星が地球へ突入する時の速度はこの2つを足した秒速70㎞のように見えるのです。
さて、地球の大気中に1秒間に40kmの猛スピードで衝突した小さな塵は、
周りにある大気の熱いガスと気化した塵の成分が光を放ち、
一つの筋となり星が流れているように見えるのです。
オルフェウスとエウリディケ
星といえばロマン! ロマンティックなお話を探してみました
ギリシャ神話では「オルフェウスのたて琴」として悲しい物語が伝えられています。
音楽の神アポロンからたて琴をあたえられたオルフェウスは、ギリシャ一の詩人で琴の名手になります。
オルフェウスが竪琴を奏でながら歌うと、人々はもちろんのこと森の獣や道端の草花でさえも
その音色に聞き入ったということです。
オルフェウスは美しい妻エウリディケと幸せに暮らしていました。
ある日、エウリディケは草むらに隠れていた毒蛇にかまれて死んでしまいます。
嘆き悲しむオルフェウスは、あきらめきれず妻の後を追いかけて死の国へ降りて行きます。
妻を帰して欲しいと冥土の神プルートンに願い、琴を奏でます。
プルートンはオルフェウスの魂をこめた美しい琴の音に心をうたれます。
ついに地上に出るまで振り返らない、という約束でエウリディケを帰してくれることになりました。
エウリディケを連れたオルフェウスはもうすぐ地上に出るというところでうれしさのあまり
つい振り返って妻の姿を見てしまいます。
約束を破ったためエウリディケは、再び死の国へ引き戻されてしまいました。
悲しみに暮れたオルフェウスが死を迎えると、音楽の神アポロンはこれを哀れみ、
彼の琴を「こと座」として天の星座にしたのです。
17世紀の天球図
「こと座」って、実はおなじみのあの星です!
今回みられるのは「こと座流星群」のこと座は夏を代表する星座の1つ。
七夕の「おりひめ星」として知られるベガの星座です。
そのこと座の方角から飛んでくるから「こと座流星群」とよばれているのです。
「おりひめ星」と思うと込めたくなる願いがあるのではないですか?
さあ、流れ星はほんの一瞬! 見逃さないように願いを託してくださいね。
【関連リンク】
「人の心は思いやりとアートできっと救える」
こんな気持ちを持って美術に親しんでいます。