第4回では図に書いてみること、ゲストを加えることで客観的な視点を導き易くしました。
直接問題に関係のないゲストとの関係を振り返ってみることでも、
嫌いな人の質感に変化が起きるとか、
ゲストとの関係をより良くすることにつながることが
生まれるのではないかと思います。
今回は「嫌いな人」がその場所で重要な人だったら、
何を学び、知ることができるのか?ということを考えてみましょう。
ここまで進めてくると、なんとなく感じている人もいるのではないでしょうか?
あなたが嫌いな人とは、あなたとはこうあるべきという基準が違う、
ということに......
それは日常での仕事のやり方や会話などのコミュニケーション、
スタイル、ポリシーなど、さまざまなことが違うということです。
大事なことや考え方が同じなら、やり方も似たものになるのではないでしょうか?
もしも手順や方法が違ったとしても、基準が似ているならば、それを理解することは簡単なはずです。
あなたとやり方やスタイルが違う
このことは、相手にどんなメリットがあるのでしょうか?
スタイルのような基本的なことは、メリットがなければ変更するものではないでしょうか?
たとえば「毎日の通勤経路が遠回りかもしれない」と気づいたならば、
時間が短くなる通勤経路にきっと変更しようと思いますよね。
気になる人から「鮮やかな青があなたに似合う」と言われたら、
( 魅力的というメリットがあるから )鮮やかな青色の服を買いに行こう、
と思うのではありませんか?
あなたが細かいと思う人や、頑固な奴だ、と思ったりして嫌う人には、
そうすることのメリットがあるのかもしれません。
こうしたことは相手を観察することでもわかるでしょう。
嫌いな人はどんな人と仲が良く、スムーズにやりとりするのか?を観察する。
嫌いな人の得意なこと、得意な業務、評価されていることを知る。
こうしたことからもわかるでしょう。
嫌いな人の上司が細かくチェックする人だとしたら、
嫌いな人も細かく気を遣うようになることでしょう。
おそらく嫌いな人である上司も、そういう指導を受けるでしょうからね。
そうだとするとその会社は、細やかな配慮ができないことには出世できない、
あるいは業務がスムーズに行かない場所かもしれませんよね。
細かなチェックがお客様にも、会社にも、上司にも評価されるとするならば、適応することが必要でしょう。
いままでのあなたでは鬱陶しいと思うような「細やかな気づかい」が、
この場所では求められていて、メリットがある要素ということです。
もしかするとこのようなことの積み重ねが、会社の社風、
学校の校風、部活やクラブの伝統などにつながるのかもしれませんね。
もちろん理解したうえで、今まで通り自分のやり方でやることもできると思いますが、
「壁」は確実に存在すると思います。
私たちは「スタイル」や「やり方」ということの変更を求められる機会が意外と多くあります。
引っ越しや海外旅行に留学など、郷に入っては郷に従え。
部活や会社での上下関係
仕事や学校などでの、服装や髪形、化粧の縛りに制服着用など
車やバイクの運転
( 歩きでは信号無視をしても車ではしない 行動範囲が広がり選択肢が増える )
......
...
変えたほうが上手くいくこと......
絶対変えたくない重要なこと......
嫌いな人が上司や先生など、その場所のキーマン、重要なポジションにいるとするならば、
一度考えてみることをお勧めします。
その場所で大事なことを教えてくれているのかもしれません。
分かったうえで、それを選ばないという選択もあるでしょう。
あるいは、その場所を離れることがいいということもあるのでしょうか?
まとめ
嫌いな人がその場所の重要な人であるならば、その人のスタイルや方法は、
その場所では重要なことかもしれない。
そのやり方やスタイルを受け入れたほうがスムーズで、いろいろなことがラクになることもあるだろう。
どうしても受け入れられないとするならば、あなたにとって重要なこだわりを教えてくれているということです。
総括
人はみんな、嫌な気持ちにはなりたくないものです。
ここまで5回にわたって、嫌いな人と付き合うには、嫌いな人から学んでみようと提案してきました。
嫌いだから関わらなくていいのならば苦労はありません。
けれどもそうできないならば、発想を転換していくことで気持ちを軽く変えていくこともできると思います。
ぜひやってみてください!
(2016年06月09日「ボトルボイス」より転載)