職場環境の「Uber化」が進むオーストラリア

ハフポストオーストラリア版は、これらの全ての数字があなたの実際の生活にどのような意味を持つのか知りたいと思っている。
Commuters outside Flinders Street Station cross the road on the croner of flinders street and Elizabeth Street Melbourne Victoria Australia.
Commuters outside Flinders Street Station cross the road on the croner of flinders street and Elizabeth Street Melbourne Victoria Australia.
Asanka Brendon Ratnayake via Getty Images

オーストラリアの日曜日は、もう神聖なものではないのか?  たぶんそうかもしれない。私たちにはよく分からない。そして、このことについて私たちがどんな風に感じるのかも分からない。

オーストラリア人が働き者であることは知っている。5人に1人が日雇い労働者で、景気が悪くなると真っ先に影響を受けるのが日雇い労働であることも分かっている。

女性たちと年配のオーストラリア人たちの2つのグループが、労働人口の中で急速に成長している。将来の経済が私たちにもっと子どもを産むことを求めているのと同時に、政府は出産休暇にお金を使うことを望んでいない。適切な保育所を確保するのは、金の卵を産むガチョウを探すようなものだ。

港湾労働者たちは真夜中に送られてくるメール1本で解雇され、大規模小売業者はスタッフを日雇い労働派遣会社へ戻している

そしてオーストラリア政府の「ワークプレイス・リレーション・フレームワーク」が発表した「生産性委員会報告」では、日曜日の労働にはもう特別な意味はないことを認めて、最低賃金労働者に対する日曜日のペナルティー・レート(時間外手当)を減らすように推奨している。

私たちは、恐ろしい扱いを受けているバックパッカーや出稼ぎ労働者の悲惨な話を聞いている。そして私は、不安定な労働環境の末端で働く、立場の弱い労働者たちにインタビューをした。

明るい面を挙げれば、私たちは職場の柔軟性について書かれたものをたくさん読んだ。起業する母親「マムプレナー」は今人気だ。良い教育を受けて営業能力もある女性がリビングルームから独自のビジネスを築いて、賢いアイデアで市場の隙間を埋めたり、子どもが眠ってから一生懸命働いたり、3カ月契約を取り付けたり、次々と仕事をする。

私たちはみんな、自分に合った方法で楽しく働いているのだろうか? 渋滞を避けて、FaceTimeを使ってビーチから会議をしているだろうか? 実際はそうではないことが分かっている。

もちろん数字はある。政府は毎月、新聞の見出しに出るちょっとした失業率の変化を、そのニュースが良いものか悪いものかによって、誇らしく語ったり無視しようとしたりする。

私たちは、仕事の増加がパートタイムの仕事だけだったり、一部の人たちの労働率が急上昇したときは、それを見分けることができる。オーストラリア人が雇用の展望に対してどのように感じているかを測るには、年1回の HILDA 調査の数字が最も近い。これはメルボルン大学が行っている優れた調査であり、2001年からオーストラリアの家庭について深く研究している。

HILDA の目的である「雇用の安定」は、自分たちの仕事はどれくらい安泰であるか、解雇されたり窓際に追いやられた時に職場を去ったり別の仕事を得る可能性はどれくらいあるかを、個人の意見を聞いて測られている。

マーク・ウッデン教授は開始当初から HILDA 調査プロジェクトの責任者であり、長い間、オーストラリアの労働者市場の変化はわずかしかないと話した。過去20年間にわたって労働者の20%は日雇い労働者であり、雇用確保は労働者市場の状況と関連している。2012年、2.7%の労働者が日雇い労働派遣会社に雇用された。1%強の労働者が、仕事の大部分を自宅から行っている。

「"在宅勤務"は今、あなたや私のような人たちが丸1週間をオフィスで過ごして、週末に自宅で仕事をすることを意味します」とウッデン教授は話した。

「これはまさに、自分の仕事が安定していないと感じている人々が日雇い労働者である事例です」

数字の裏に隠れているものがあると、オーストラリア・インスティテュート・オブ・エンプロイメント・ライト(オーストラリア労働者権利団体)の事務局長クレア・オジク氏は話した。仕事の質は測れないという。

オジクは職場環境の「Uber (ウーバー)化」に警鐘を鳴らしている。会社に都合が良いように、リスクが労働者の肩にのしかかる職場だ。

「私たちはこのような労働の崩壊へと向かっています。テクノロジーを利用している私たちの生活の、あらゆる隙間を埋めようとしているのです。」と、オジク氏は話した。「あなたの休憩時間も収益化するように促されているのです」

仕事での完全な自由が、本当に私たちの欲しいものなのだろうか?

「オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー」のベン・ポッター記者は、生産性委員会報告が Uber (ウーバー)に代表されるようないわゆる「経済のシェア」について触れていないことを指摘した

これは招待状だ。

ハフポストオーストラリア版は、これらの全ての数字があなたの実際の生活にどのような意味を持つのか知りたいと思っている。

私たちは、労働者老齢退職積立金の資格をもたない労働者について知りたいと思っている。休日に高い時給が支払われる必要はないのだろうか? あなたはどのようにモチベーションを保ち、雇用主の目標と関わっているのだろうか?

私たちは、協力してくれる人たちにお会いしたいと思っている。おそらくあなたは「あなたの休憩時間を収益化」していて、それが素晴らしい人生への鍵だと思っているだろう。

HILDA の直近の報告書は、こう指摘している。「"雇用"だけが、家庭の収入の大部分の決定要素ではない。経済的にも社会的にも、社会進出することが重要だ」

これはハフポストオーストラリア版の大きなテーマになるだろう。そして軌道に乗れば特集を組む予定だ。そしてあらゆる角度から議論をする一方で、人生を少しだけ良くする方法について多くの素晴らしいヒントとストーリーを伝えていくつもりだ。

この記事はハフポストオーストラリア版に掲載されたものを翻訳しました。

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