立ち止まったら負け?頑張ろうとする自分と、立ち止まりたいと思う自分

なぜ頑張ろうとしてしまうのか?

立ち止まったら負け?

頑張ろうとする自分と、立ち止まりたいと思う自分が葛藤することが

主なストレスの原因です。

では、なぜ頑張ろうとしてしまうのか?

学校教育の中で、たくさんの競争を強いられますね。

試験で良い点数が取れなければ先生からは「なぜできない?!」と責められ、

家族からは「もっと頑張れ!」と責められる。

友達と思っていた周囲の人たちを、競争相手と感じるようになり、

「負けたくない!頑張らなきゃ!」と、自分を駆り立てるようになっていきます。

気持ちの休まらない窮屈な状態の中で頑張り続けていくうちに、

自分の疲れや不調を感じても、

「こんなの大したことない!もっと頑張れるはず!」

と立ち止まろうとする自分にムチを打って、更に頑張り続けてしまうんです。

社会に出ても、勝ち負け思考は変わりませんよね。

何事も、周囲の人たちと自分を比べて、

勝っているか、負けているかを考えてしまう。

勝っていると感じれば、勝ち続けるために、また頑張ろうとしてしまう。

こうした繰り返しの中で、思考はどんどん窮屈になっていき、

勝ち続けなきゃ!立ち止まったら負け!という極端な思考に支配されていきます。

立ち止まったら負け!という意識になってしまうと、休憩できませんよね。

休憩時間になっても、少しでも何かを勧めようとしてしまい、

意識は今より先に先に進んでいこうとする。

ひどい状態になると、食事中も食べる物に対して感謝の気持ちを持つこともできず、

咀嚼する時間すらもったいないかのように早食いをして食後の休憩も取らない。

移動中に車を運転する時も、運転に意識を集中できず、

この先、相対する競争相手に勝つにはどうしたらいいかばかり考えてしまう。

などということを経験された方も少なくないと思います。

そういう状態で一日を過ごしていくわけですから、

身体は疲れているのに脳は興奮状態となって、

なかなか眠れなくなってしまったり、

眠ったと思ったら夜中に目が覚めてしまうなど、

良質な睡眠をとることが難しくなっていきます。

疲れが取れない状態で目覚ましが鳴って、

踏ん張って起き上がって、

また頑張る一日がはじまっていく。

立ち止まりたい!と叫んでいる自分が居て当然ですよね。

では、なぜ立ち止まれないのか?

べつに1番じゃなくてもいい。すべてに勝つ必要はない。

と思っている方がほとんどだと思います。

学校であれば、成績が真ん中くらいでいい、とか、

会社であれば上司に怒られない程度仕事をすればいいなど、

自分のハードルはある程度感じていて、

頑張れる範疇を決めているものなんです。

それでも頑張り続けて、立ち止まれなくなってしまうのは、

周囲の人から見た自分を意識し過ぎてしまうからなんですね。

周りから見たら自分は頑張っていないんじゃないか?

周りのみんなは、もっと頑張っているから活き活きしているんだ。

などと漠然と不安になってしまい、

自分も、みんなと同じくらいに成りたい!

というゴールが無い目標を立ててしまうんです。

ゴールが無いわけですから、どこまで頑張っていいのか

わからない状態で不安になって周りを見る。

よくわからないけど、みんな頑張っているから、

自分も頑張らなきゃ!と焦ってしまう。

立ち止まったら負け!と思うようになってしまうんです。

立ち止まるために大事なのはゴールを決めること。

ここまで出来たら、一旦休憩して頭も心も休めるようにしよう。

どこまで出来たら今日は終わりにしよう。

など目標を決めておくことで、

自分のやるべきことに意識を集中できるようになります。

一区切りついた時には、頑張れた自分を褒めるようにしてください。

そうすることで、脳は安心ホルモンを分泌して、

しっかり休養を取れるようになります。

食事のときも、食べることに意識を向けれるようになりますから、

ゆっくり食べれるようになりますし、

食べ物に感謝をする気持ちも出てきますよ。

そういうメリハリがしっかりつけられるようになれば、

眠るときも安心して、ぐっすり眠れるようになります。

よく眠れれば、心身の疲れも回復できますよね。

立ち止まることは、自分を感じるための大事な時間です。

負けることではありませんよ。

立ち止まって、自分を感じるようにしてくださいね。

(2016年03月03日「ボトルボイス」より転載)