工場の代表や職人、そして業界の重鎮が100名の学生とセッションを交わした「アパレル工場サミット2016」を振り返る

学生の好奇心と探究心を刺激し続ける濃厚な時間になりました。

少し前の話になりますが、3月21日に開催した「学生のためのアパレル工場サミット2016」を改めて振り返りたいと思います。

このイベントは、工場の採用活動を促進させるために2015年から始めた取り組みで、一流アパレル工場の代表や職人、そして業界の重鎮が学生と交流を図るというものです。第2回は、約100名の学生が参加。高校生や服飾の専門学校に通っている学生から東大生まで、ものづくりの未来を担う若者が一同に会しました。

タイムスケジュールは、10 時~19 時という長丁場。プログラムは以下になります。

プログラム

▼元エルメス本社副社長が語る、職人目線のブランド作り

▼地元を支え、本物のジャパン品質を発信する工場の取り組み

▼工場で働く若者が登場! 地方での暮らしと、地方で働く価値

▼ニッポンの底力! 日本が誇るべき宝物

▼リアル店舗展開を図るファクトリーブランド。これからの工場の形とは

▼工場との交流会

ラストを締めくくるのは、【メイドインジャパンの世界戦略!「日本製」はどう戦うべきか】というテーマのもと、業界の重鎮が登場。前回に引き続き、今回も豪華なラインナップになりました。

・クールジャパン機構社長/元イッセイミヤケ社長 太田 伸之氏

・株式会社ビームス取締役副社長 遠藤 恵司氏

・株式会社オンワードホールディグス 代表取締役社長 保元 道宣氏

それぞれの経験談に基づく話は興味をそそるものばかり。「アルマーニを見出したのはビームスであるように、ブランドを育て上げて世界に発信するのは日本の得意分野」「ロンドンでは日本をテーマにしたイベントが盛んに開かれており、カルチャーを届けられるチャンスは大きい」といった未来を感じさせる内容から、「デザイナーはブランドのTOPとしてクリエイティブに専念すべき。お金勘定はNo.2に任せた方がいい」といった経営のノウハウまで、学生の好奇心と探究心を刺激し続ける濃厚な時間になりました。

■若手の職人×学生

今回の特徴として挙げられるのが、地方の工場でものづくりに励んでいる4名の若手の職人を招いたことです。4名が働いているのは、長野・岡山・和歌山・熊本で、地方の隅々までにスポットライトを当てるために、敢えて政令指定都市ではない場所を選定。セッションの中では学生らしい等身大の質問も飛び交いました。

Q:スーパーの閉店時間が早そうですが、普段はどこで買い物していますか?

A:ネットで買えるので不便は全くないですよ。

Q:週末の過ごし方は?

A:日常的にアウトドアを楽しんでいます。これは地方ならではの醍醐味ですね。

などなど、お互いに年齢がそこまで変わらないこともあり、雰囲気は終始和やかでした。

■93%の学生が工場での就職に興味を示す結果に

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