第二回「働き方改革実現会議」テーマは「テレワーク、中立的な税制、女性活躍など」

働き放題になってはメンタル疾患などの健康被害がでます。やはり上限は大切。企業がしっかり労働時間管理をすることが大切です。

10月24日に首相官邸にて働き方改革実現会議第二回が行われました。

第一回では総理が9つのテーマを出されました。

1番目に、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善。

2番目に、賃金引き上げと労働生産性の向上。

3番目に、時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正。

4番目に、雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題。

5番目に、テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方。

6番目に、働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備。

7番目に、高齢者の就業促進。

8番目に、病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立。

9番目に、外国人材の受入れの問題。」

第二回はそのうちの5つのテーマの会議。私はその中の「テレワーク、中立的な税・社会保障制度、女性が活躍しやすい環境」についてプレゼンしました。

テレワークでは事前の話し合いで、みなさまのテレワークのイメージがいささか古い(データ入力などをパソコンの前で自宅でやるイメージ)ことに気がつき、アドバイザーをさせていただいているGoogle Women Willメンバーから、最新のテレワークの画面等を送ってもらい。大きく印刷して資料につけました。

「対面がないとチームワークが...」とか「部下がちゃんとやっているかどうか把握できない」という心配は、最新のテレワーク環境を知れば、百聞は一見に如かずです。

テレワークというとデータ入力など女性の仕事というイメージが強い人もいるのですが、アメリカでは4割以上の人がテレワークを使い、それも単純作業よりもハイスペック人材のほうが多くなっています。しかし、働き放題になってはメンタル疾患などの健康被害がでます。やはり上限は大切。企業がしっかり労働時間管理をすることが大切です。「メールがつながらない権利」がフランスでは議論されています。

そしてマタハラnet.さんから相談されていた「育休2年になったら女性活躍にはマイナスメッセージでは?」という意見も取り上げました。

「育休2年」という数字が一人歩きすると、役割分担が固定化するし、企業の早期復帰という流れに逆行するからです。保育園に入れなかった場合の「救済措置」としてほしい。そしてスウェーデンのパパクオータのように男性と分け合える育休にしてほしいという意見を出しました。

なんと、政府でもその議論がなされているようです。

プレゼンはこちら。税制についての重要な視点も研究者の方のレポートから提案することができました。「働き損の壁を越え、負担が少ないと思える200万円」を主婦がパートで稼ぐには、東京など大都市なら35時間以内、東北九州地方だと45時間近辺働かないといけないことがわかりました。

引き続き、長時間労働撲滅の署名キャンペーンよろしくお願いいたします。みなさまのおかげで、2万超えました!

スピーチ原稿は下記にあげておきます。

「テレワークについて

資料Xは、最新のテレワーク環境ということでGoogleのテレワークのPCの画面を持ってきました。オフィスにいるように全員の顔が見られ、勤怠もPC上で把握できます。

通勤時間の長い県ほど少子化というデータもあり、女性のためだけでなく、父親の育児参加にもテレワークは貢献します。

オフィスから二時間以内ならどこでも働けるテレワークを導入したリクリートマーケティングパートナーズではオフィスフロアが4分の一になり、テレワーク制度があるから転職してきたという声もあるそうです。

ただ、広く導入するには二つのポイントがあります。

1)育児中の女性のためでなく、全員が使うということ。

2) 企業がしっかりと労働時間管理をすること。オフィス以外で働き放題になっては、メンタル疾患が増えるなど、健康を阻害します。上限が必要です。フランスで検討されている「メールがつながらない権利」をもうけるべきだと思います。

多様な選考・採用機会について

就職氷河期の団塊ジュニアの40代独身女性の4割は非正規。マザーズハローワークの対象でもなく高齢者でもなく、支援の穴に入っています。ぜひ就業または資格取得等の支援をしてほしいです。また、ブランクある子育て女性向けの慣らし運転も含めた「サイボウズの再就職支援キャリアママインターン」、時間制約がある専門スキル人材向け「リクルートのZIPWork」など、とても優秀な人材がくるそうです。

中立的な税制等について

今の制度の積み上げでなく、こうした社会が望ましいとうビジョンから設計してほしい。理想をいうと、主婦が非正規でも、正社員ほど時間が長くなくても、年収200万得られると、家計も強く、離婚や夫の失職の際にも貧困を防げると思います。200万まで働くことのハードルをとってほしい。

女性が活躍しやすい環境

3つの必須条件があります。

1) 長時間労働を是正して、フェアに同じ時間で競える環境

2) 年次にとらわれない成長、昇進の機会

3) 男性の家事育児参加です。

大和証券 2007年から19時前退社を徹底し、女性の支店長が118店中22名(18.6%)となっています。

また、加速化のために時限的なクォータ制を義務化してほしい。今まで男性がポジティブアクションされてきたのでバランスはちょうどよい。スウェーデンは、労働力不足から女性の活躍を促進するとき、依怙贔屓ともいうほどのクウォータ制を導入しています。

育休2年は、「ありがたい」という方もいますが、女性活躍にはマイナスメッセージという意見がマタハラnetさんからありました。2年という言葉が一人歩きすると、役割分担の固定化がすすみ、企業の早期復職とは反する現象となるでしょう。保育園に入れられなかった場合のみの救済措置としてはどうか。また、スウェーデンのように、男性が一部をとるなど、男女ともに育休をわけあってとれる制度にしてほしいと思います。以上」

(2016年10月26日「白河桃子オフィシャルブログ」より転載)

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